『「聞き方」を変えればあなたの仕事はうまくいく(上阪徹著)』読了。インタビュー時に意識しておきたいことの全て。

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ベストセラー作家・上阪徹氏の本は、過去にも「書くための文章術を知りたい!!」と思い、なめるように読んでいました。

「10倍速く書ける 超スピード文章術(上阪 徹 著)」読了。文章を書くのがこわくなくなる!

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そして今回読んだのは、聞くための本『「聞き方」を変えればあなたの仕事はうまくいく』

「聞き方」を変えればあなたの仕事はうまくいく』読了!

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これまでに3,000人以上の人をインタビューしてきた上阪氏の本を読んで、まず真っ先に思ったのが、この本にはインタビューに必要な考え方、やり方がすべて書かれているのでは?!ということ。ここまで具体的、かつ丁寧に教えてもらっていいのだろうか!とすら思う。スゴイ!

また、私が過去に開催したインタビュー講座で伝えたい!と思っていたことと、同じようなことが書かれていて(と言うには、あまりにも恐れ多いけれど)、それがすごく自信となった。

私自身、インタビューのやり方を学んだことはなく、いつも「このやり方で合ってるのかな?」と心の片隅に抱えてきたかすかな不安があったのだけど、この本のおかげで「私のやってきたことは、間違ってなかったのだ」と自信がもらえて、「大丈夫!」と背中を押してもらえたような気持ちになったのでした。

メモしておきたい言葉ばかりで、読み終わった後にはこんな付箋だらけになってしまいました。以下、今後のインタビュー時に役立てたいと思った「聞き方」をメモ!

インタビュー時に心に留めておきたいこと

ライターというと、文章を書くのがうまいと思われているけれど、実際は「いかにインタビューでいい話を引き出してくるか?」で書ける文章は変わってくる。

本書にも冒頭に

原稿のクオリティは文章力よりもむしろインタビューする力が左右されるのではないか。

文章の巧拙などよりもはるかに、書いてある内容、獲得してくる情報の方が重要なのです。

とあり、大きく頷きながら読み進めたのでした。

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ライター歴13年の私だけど、インタビューはいまだに毎回緊張する。お話を聞くのは毎回ほぼ初めましての方。一体どんな人なのか、どんなインタビューとなるか、想像もつかない。

そんなわけで、緊張しながらのインタビューとなるのですが、本書の下記部分を読んで、次からは肩の力を抜いてできそうだなと思う。

なぜ話すときに緊張してしまうのか?

そもそも緊張してしまうときというのは、何かの結果を出したいとき、もっと言えば自分をよく見せたいとき、だと思います。逆に、自分をよく見せようなどと思わなければ、意外に緊張しないものだと気付いたのでした。

背伸びをしたところで、間違いなく見抜かれるのですから。

確かに、よく見せたいと思ったところで、自分は自分以上になれないし、身の丈はどんなに取り繕っても、相手にすぐ知られてしまうもの。だから、もうここは開き直るしかないのだなぁと改めて。

人はどうしても自分を今以上に大きく見せたいし、賢いなとか思われたいし、そんな欲が出てしまうけれど、そんなことはインタビューをうまくいかせるのに一切必要のないことだということを心に刻んで挑みたい。

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インタビューがうまくいかなくて落ち込むことが、以前はあったけれど、そんなとき下記のことを理解しておけば、どんなにか心が救われただろうか。

インタビューでは、私と相手はビジネスパートナーだと理解しています。いいインタビュー、原稿を作るための共闘関係、パートナーなのです。そうすることで、お互いにプラスになるわけですから。同じように、仕事でも、プライベートでも、会話をするとき、お互いはいいコミュニケーションの場にするための共闘関係にあるという意識を持ってみてはどうでしょうか。もちろん結果はほしいですが、その前にいいコミュニケーションが必要。そしてそれは一人ではつくれない。一緒につくるしかないのです。

私は上阪氏の足下にも及ばない、たぶん1,000人くらいの方にインタビューさせてもらったのだけど、そんな中で感じるようになったのは、こんなこと。

コミュニケーションはその場にいる全員で成り立たせるものなので、うまくいかなかったとしても、それは私一人の責任(もしくは、ライターだけの責任)ではないということ。インタビューを受ける側も、「インタビューを受ける」と決めたのなら、インタビューをうまくいかせるための努力が必要なのだということ。

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また私も常々思っていたことが書いてあり、激しく共感したのがこちら。

成功した人たちは、謙虚な人たちだった

著名な方々にたくさんお会いしてきて、ちょっと意外に思える印象を私は持つに至りました。それは、社会的な地位が高い人ほど、謙虚な人が多いということです。

〜略〜

あらゆる世界で成功されている方々というのは、基本的にものすごくちゃんとされているのです。

もっとも、「いい人」に例外がなかったわけではありません。時代の寵児と言われるような方々インタビューをして、「おや、この人はちょっと……」と思うこともありました。でも、世の中というのは本当によく見ているのだと思います。そうした方々の成功は、残念ながら長くは続かなかったのでした。短期間で、姿を消してしまうのです。

私のインタビュー講座では、下記のような場面に遭遇した場合、どうするのか?というお話をしていました。

 

たとえば、「社長インタビューで緊張するとき」

ライターでなければ、一生会うことなどできそうにもない大会社の社長さんをインタビューするときなど、本当に胃が痛くなる思いですが、これまでそうした方にインタビューさせてもらって気が付いたのは、大勢の人の上に立つ社長レベルの人ほど、人格者で素晴らしい人ばかりだということ。

相手を緊張させず、逆に私をリラックスさせてくれるような冗談を言ってみたり、話を聞きやすい雰囲気を作ってくれたり、私のレベルにまで降りてきてくれて、難しい話もかみ砕いて分かりやすく話してくれる。そんな方ばかりだったので、「社長インタビューで緊張するとき」の答えとしては、「緊張しなくても大丈夫」という答えに行き着いたのでした。

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本書で一番印象的だったのは、「話すのが上手だからといって、コミュニケーション能力が高いとは限らない」ということ。私は口下手で話すのが苦手。だからこそ話さなくていいライターになったのだと自認していたけれど、「聞く力」も良好なコミュニケーションには多いに必要であり、むしろ「聞く力」がなければ、円滑な会話のキャッチボールは難しい。上阪氏の「口べたな人は、聞けばいい」という発想に、そうか!と勇気をもらったのでした。

そのほか、「相手に聞くべきではないこと」「ついやってしまうNG質問」「苦手な人、呼吸の合わない人との話し方」なども具体的に紹介されていて、これはもうインタビューの教科書として、何度も読み直したい!

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さて、ライター目線での紹介となりましたが、「聞く力」はふだんのコミュニケーションにこそ、その威力を発揮してくれるのではと私は思っています。聞くことは、自分の世界を広げ、価値を広げてくれることでもある、という一文に本当にそうだなぁと思わざるを得ない。

これからも楽しんで、人の話を聞いていきたいなぁと思ったのでした。

来週開催の「ライターお悩み相談室」は、残席1となりました!

さて、これからライターとして活動してみたい人、ライターの知り合いがほしい人など、ライターに関するあらゆる相談にのっている「ライターお悩み相談室」。第15回を来週10/23に開催します!

インタビューのやり方についての質問があれば、もちろんお答えします。

まだ次の開催が決まっていないので、気になる方はぜひこの機会に!

イベント詳細

日時:10月23日(水)14時〜16時(13時40分〜受付開始)
※ランチタイム12時50分〜13時30分
場所:保存食lab(京阪出町柳駅から徒歩4分)
ゲスト:ライター、編集者の浜田綾さん
参加費:2,000円+1ドリンクオーダー(ランチ希望者は3,200円+1ドリンクオーダー)
定員:6名

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この記事を書いた人

江角悠子

1976年生まれ。京都在住の文筆家・編集者、ときどき大学講師。ブログでは「ふだんの京都」をお伝えするほか、子育てエッセイも。コーヒー・旅・北欧・レトロ建築をこよなく愛す。