3年ほど前から、出町柳にある洋館の一室を「私設図書室 a little something (ア・リトル・サムシング)」として運営している。
思い付きで始めたまま3年経ってしまったのだけど、いったん立ち止まって本腰を入れて運営をしたいと思い、コンセプティングからやり直し、リニューアル。秋から本格稼働するべく準備中である。
それで、この図書室のコンセプトをどうするか? 一人で悶々と考えていても全然進まなかったのだけど、私の弟でファッションデザイナーをしている江角泰俊が取り入れているスケッチブックメソッドを使ってワークをしてみると、たどり着けた…!
これだ!というのコンセプトにたどり着くのにまず半年くらいかかって、そこから実際行動に落とし込むのにまた、1年半以上かかっているので構想2年とか(つまり、やってる間ほぼ悩んでる状態)。
そしてスケッチブックメソッドで見つけた、私が私設図書室で本当にやりたかったこと。それはただ、本を読むというのではない、ここを”新しい価値に出会える空間”にしたいということ。
イタリアには「レスタウロ restauro」という言葉があって、直訳すると改修というような意味らしいけれど、単なる修復作業ではなく、古いものと新しいものを組み合わせることで、これまでにない、また異なる新しいものに変化するという意味の改修。
つまり、私は図書室に来てもらうことで、本と出会い、過去の自分を受け入れながら新しい自分を作っていってもらえたらいいなぁと願っている。そういう場所で在りたい。
図書室で手に取った本をきっかけに、自分の中に眠っているものが生まれる、何かしら気付きを得た自分はきっとここを訪れる前の自分とは、違う。そんな体験ができる場所。
あと、スケッチブックを作っていく中で出会ったのが、イタリアの建築家・カルロ・スカルパの「未完の美」という言葉。自然界に「完成」はなく、常に未完の状態である、が、それでいて完成しているというか。「万物は移り変わるもの」である。
また、イギリスの思想家ジョン・ラスキンによる、「未完成でない建築は、本当の意味で高貴なものとなりえない」という言葉にも出会い、未完成な自分を肯定してもらったような気にもなった。
未完成なままの「自分」で図書室に来て、本にある言葉に出会い変容しながらも、完成はしない。でも、完成しないことが、すでに完璧であるというか。
そんなコンセプトが確定すると、やりたいこと、伝えたいことが一気に明確になり、公式サイトも完成!秋からは、この場所をもっと楽しんでもらえるように、図書委員さんと一緒にいくつか新しい試みを検討中です!
たとえば、一冊の本をみんなで味わう読書会や、簡単なZINEを作ってみようの会、桜並木が見える季節や、糺の森の「古本市の日」にあわせた特別な回。リピーターさんには、読んだ本を記録していけるような図書カードを残せるような仕掛けも面白いのでは?みたいな案も(図書館好きとしては、昔ながらの図書カードに憧れる)。
最新のイベント情報や日々の様子は、Instagram(@a_little_kyoto)でもお届けしています。ぜひフォローして、秋の企画をお楽しみに!



