京都の伝統が詰め込まれたエンターテイメントの極み。今年はぜひ「都をどり」へ!

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昨日、京都の「都をどり」の記者発表会に行ってきました!

春の京都の風物詩「都をどり」をご存知でしょうか。私はメールで、「記者発表に来てください」という連絡をいただいたとき、そういえば「都をどり」には一度行ったことがあるな!と思い、過去のブログを検索してみると、私が行ったのは、「京おどり」の方でした。「都をどり」ではなかった。私は一体何を見てきたのか。「都をどり」と「京おどり」は違う。

「都をどり」とは?

京都には花街が5つあって、五花街といわれています(ちなみに、読み方は「はなまち」ではなく「かがい」)。そして「都をどり」とは主催が京都最大の花街・祇園甲部であり、「京おどり」の主催は宮川町と、主催者が異なります。そして、先斗町が主催するのは「鴨川をどり」と、ちょっとこんがらがってくるかもしれませんが。

そんなわけで昨日は、「都をどり」の記者発表会に行ってきました。

会場は、祇園・花見小路にある祇園甲部。八坂神社や建仁寺からもすぐのところにあります。

記者発表会ではまず、舞妓を育てる学校法人・八坂女紅場学園の理事長、杉浦 京子さんのご挨拶から始まりました。

近年はインバウンドの影響もあって本当にたくさんの方に来ていただいているそう。昨年も、連日盛況だったそうですが、杉浦さんとしては「もっと地元の人、日本の人に楽しんでもらいたい」とのこと。単に席が埋まればいいという訳ではない、京都の伝統をもっと日本人にこそ伝えていきたい、と言っていたのがとても印象的でした。

続いて、同志社大学・前学長である文学部教授 植木朝子さんから、今年の演台についての解説がありました。今年は、寛永行幸から400年に当たる年だそうで、演題は「寛永行幸都華麗」。いったい寛永行幸とは何なの?と疑問に思い調べてみると、「行幸」とは、天皇が外出されることを指し、寛永3年(1626年)、3代将軍・徳川家光が、後水尾(ごみずのお)天皇を、自分の宿舎である「二条城」に招待したという行事だそう。

それを「都をどり」では全8幕ある演目に軸として盛り込み、舞や唄が披露されるというのです。舞の際の歌詞は毎年書き下ろしされていて、それを書いているのが植木朝子さん。

ちなみに、私は後水尾(ごみずのお)天皇と読んでいましたが、祇園の方々は、ごみのお天皇と発音されていました(「ごみずのお」じゃなかったんかという学び)。

最後に、舞の振り付けを担当されている京舞井上流 家元五世・井上八千代師からのお話。井上先生は、京都の伝統芸能「京舞」を継承する人間国宝でもあるお方。ほかのイベントでも井上先生が話される場にいたことがあるのですが、井上先生が発言されると、なぜかその場の空気がぴりっと引き締まるような感覚があります。

日本画家が描く「都をどり」

今年のポスターは奈良在住の日本画家・福田季生氏が手がける、贅沢にも一面に金箔が貼られた日本画で、原画を見させてもらったのですが、本当にキラキラしていて、まぶしいくらいでした。福田さんが実際に「都をどり」を鑑賞して、そのきらびやかな舞台を何とか日本画で表現したかったとのこと。何度も舞妓さんを写生させてもらって完成させた作品。都をどりのポスターといえば、過去には堂本印象をはじめとするそうそうたる日本画家が手がけてきた歴史があります。

まだ40代になったばかりの若いお方が任されるなんて、ご本人も「恐れ多い」とおっしゃっていたけれど、本当にすごいことだなぁと思います。

舞とは、動く工芸品

そしてよいよ舞妓さんの登場。広報の方からは、「都をどり」に関することが事細かく書かれた資料を事前にもらっていたのですが。

それを読み込んでいたとしても、そこからは決して伝わってこない情報と迫力が、現場にはあります!!!!舞妓さんの着物姿を前にすると、本当にもうテンションが上がりました!。

きらびやかで華やかで、本当にすばらしい。着物は毎年、巧みの手で新調されているんだそう。

今年初舞台を踏む3人の舞妓さんのお披露目もありました。右から、夢千鶴さん、心葉さん、豆しずさん。京言葉とはまた違う、花街独特の「花街ことば」で挨拶をしてくれました。

最後は、勢ぞろい。圧巻でした!!

祇園祭は、よく「動く美術館」と表現されるますが、都をどりは、「動く伝統工芸品」。7,000円なんて完全に安い。行かない意味が分からない。絶対に行った方がいい、と思いながら、記者発表会から帰ってきました。

伝統の建築美も楽しんで

取材にいって、都をどりの歴史や素晴らしさはもちろんのこと、舞台そのもの、この空間に身を置くということが、ものすごく価値があるなぁと感じました。祇園甲部歌舞練場は、純和風の意匠でありながら、大規模な木造建築としての技術が詰まっており、国の登録有形文化財になっています。足を踏み入れると、飲み込まれそうなくらいの重厚な雰囲気。

左に映るモダンな建物は、もともと興行のための劇場として建てられた「弥栄会館」。ですが、老朽化と耐震不足のため劇場としての役目を終え改修され、つい先日「帝国ホテル 京都」として開業。モダン建築好きの私としては、こうした建築物を愛でる楽しさもありました。

祇園甲部歌舞練場までの道は、石畳が続く花見小路。ここはまさに、京都風情が感じられる街並み。ポスターが至るところに貼ってありました。

さて、これほどの京都の伝統文化を詰め込んだ舞台「都をどり」。それを茶券付き一等席が、たったの7,000円で観られるというのです。

この茶券付一等観覧券を購入すると、「都をどり」観覧前に、京風島田まげを結い黒紋付の衿裏返しという正装で、芸妓さんがお点前を披露してくれます。お茶席というのは、テーブルと椅子を使って行われる「立礼式」で。「立礼式」とは、裏千家十一世玄々斎千宗室が考案した茶道点前で、元々は正座が困難な外国からの賓客をもてなすために誕生したんだそう。しかも、「立礼式」が初めて一般に披露されたのは、明治5年「都をどり」のお茶席だというのだから、本当に歴史がすごい。

さらにお茶席で使われる、つなぎ団子の模様があしらわれた菓子皿は、おみやげとして持ち帰れます(毎年カラーが違ってお皿を集めている人もいるほど人気の皿。レトロでとても可愛い)。お茶のあとは、池泉回遊式庭園を眺めながら、「都をどり」開演前の時間を過ごすことも。これはまさに、京都の伝統が詰め込まれたエンターテイメントの極みではないか。海外からのゲスト人気というのもよく分かる。

というわけで、春の京都へ観光を予定されている方は、ぜひ「都をどり」も予定に組み込んでみてはいかがでしょうか!

学生券(二等観覧券)は 2,000円。私は、子どもにも京都の文化を肌で感じてもらいたく、連れていっておかねばという気になりました。

「第151回 都をどり」公演概要(2026年)

■ 期間 令和8年(2026年)4月1日(水)▶ 30日(木)

■ 公演時間(1日3回公演 / 各回60分)

  • 第1回目: 12:30〜
  • 第2回目: 14:30〜
  • 第3回目: 16:30〜
    ※お茶席は開演1時間前より開始。開演40分前までに来場のこと

■ 料金(税込)

  • 茶券付一等観覧券: 7,000円
  • 一等観覧券: 6,000円
  • 二等観覧券: 4,000円
  • 学生券(二等観覧券): 2,000円 ※中・高・大学・専門学校・高等専門学校の学生、保護者同伴の小学生以下の方が対象。中学生以上は当日学生証を持参。

■ お申し込み・お問い合わせ

電話予約・問合せ: 075-541-3391(代表) (受付時間:午前10時〜 / 日・祝休み ※3月20日〜無休)

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この記事を書いた人

江角悠子

1976年生まれ。京都在住の文筆家・編集者、ときどき大学講師。ブログでは「ふだんの京都」をお伝えするほか、子育てエッセイも。コーヒー・旅・北欧・レトロ建築をこよなく愛す。