ZINE制作講座、2回目の講座が終了!〜エッセイの書き方、これが正解〜

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4ヶ月かけて、18人で1冊のエッセイ集を作る「ZINE制作講座」、昨日2回目が終了しました。

9月の文学フリマ大阪出店に向けて、今はZINEに掲載する原稿を書くことに取り組んでもらっています。

テーマは「私の人生、三大しあわせな日」で、それぞれの「しあわせ」について3000字ほどのエッセイを書く。

このテーマにしたのは、私がいろいろな人の「しあわせ」について聞いてみたいなと思ったから。私の三大しあわせな日については、以下のnoteに書いてあるのですが。

私はこの3日だったけど、他の人に話を聞いたら、どんなしあわせな日が出てくるのだろう。きっといろんなしあわせがあるはずで、それを教えてもらえたら、いろんなしあわせなの形を知って世界が広がるだろうし、知れば、私もきっとしあわせな気持ちになれるだろうなと思ったから。

実際、初稿を読ませてもらっただけでも、本当にいろんなしあわせな日があり、そうか、それもしあわせだよなぁと気付いたり、グッと胸に来て涙が出そうになったり。「しあわせ」とは、その人の「人生そのもの」…なんかもう素晴らしいZINEになる予感しかないです。

まさに、人生そのものであるからして、やはり書くのもひと苦労。昨日の講座でも、原稿を書き始めたものの、どうまとめていいのか悩むという相談もたくさんありました。

それで、相談にのっているうちに気が付いたのが、皆さんがエッセイの正解を探して、その「正解」が分からず困っているということ。

他の人が書いたエッセイを読んで、頑張って私もレベルを合せなきゃ!と焦ったり、寄せて書かなきゃと忖度したりすることで、余計に何を書いたらいいのか分からなくなり、書けなくなっているのです。

あぁ、そうかと思って。

じゃあ、エッセイの正解とは何なのか?と考えてみれば、そもそも文章に正解はないし、当然「人のしあわせ」にも「これが正解」といえるものなんてありません。あるとしたら、「自分なりの正解」が正解である。

だいたい、何かに「寄せて」書こうとしたとて、何に寄せて書こうとしているのか?それすらも漠然としていて曖昧なもので、だから書けなくなっているんだなぁということが分かりました。

ある人が「バラが咲いている」のを見て、しあわせだと感じたら、それが正解だし、「宝くじで200円当たった」のが、しあわせと思ったら、それがしあわせ。

もしかすると、「たったそれくらいのことでしあわせを感じるのか。安いね。簡単だね」と思われたら、どうしようという不安があるのかもしれない。

でも、誰がなんと言おうとこれが私のしあわせなんじゃい!!!と断言できるようなしあわせを書いてもらいたいと思う。私の人生ベスト3には、オザケンのライブに行った日が入っているけれど、これが全く分からないという人も多いと思う。が、分かってもらえなくてもいい。共感してもらえなくてもいい。ただ「そうである」というだけだ。

だから、テーマは「人生三大しあわせな日」だけど、「3つに収まるわけないだろ!」と怒ってるエッセイでもいいし、「圧倒的に1位しか思いつかない」でもいいと思う。「まだ2つしかなかったけど、3つ目はこれから先の未来にあるのだと思う」でもいい。

本当になんでもいい。

その人だからこその「しあわせ」。そういうエッセイが読みたい。それが書いてあるエッセイこそが面白いと私は思うし、読者にも伝わるものがあるような気がするのです。AIには書けない「そんなしあわせがあったんだ」が読みたい。よく分からない誰かに忖度したようなエッセイは、マジつまらない。

今回、テーマをこれにしたのは、「自分だけのしあわせを見つけてほしいな」という思いがあったからでした(私の活動のテーマ「書いて、しあわせになる」を盛り込んだ形)。

そして、そういうエッセイこそ本にして読者に届けたいと思ったのです。読者が、読みおわったあとに「そういえば、私の三大しあわせな日って、いつだったかな?」と思いを馳せてくれるような本になればいいなと思います。 

おまけ。そういえば、過去にこんなnoteも書いていました。

受講生のレポ記事も続々と届いています!

ZINE制作とは、「今の自分」を形にする作業なのかもしれない。最終的には「自分はどうしたいのか」を考えて、自分で決めなければならないからだ。このZINEが完成する頃には、自分軸が鍛えられ、人としてもっと成長できるんじゃないかと密かに期待している。

あちゃー!私、講師の江角さんに褒めてもらおうと思って原稿を書いてた!プロのエッセイを読みまくって、構成も“江角さんっぽく”。……いや、これ私じゃないやん。私が勝手に“良い子”で“嫌われない”ような文章書こうとしていたことに気付いた。

質疑応答のとき、江角さんが「エッセイに正解はない」と話してくれました。自由に書けるはずのエッセイなのに、いつの間にか私は正しい構成?といったものを探していたのかもしれません。

幸せに、正解はありません。自分が幸せだと思ったら幸せだし、そう思えるきっかけがたくさんある方がより豊かな気持ちでいられると思いました。

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この記事を書いた人

江角悠子

1976年生まれ。京都在住の文筆家・編集者、ときどき大学講師。ブログでは「ふだんの京都」をお伝えするほか、子育てエッセイも。コーヒー・旅・北欧・レトロ建築をこよなく愛す。