お友だちのライター堀香織さんが構成を担当した本。面白くて一気読みしたかったけど、中身が濃くて必死で咀嚼しながら読み進めた「妄想浪費」。
あぁ、面白かった!!!!超絶エンターテイメントな人生をのぞき見させてもらったような後味。
「くまモン」の生みの親であり、下鴨茶寮のオーナーであり、放送作家であり、脚本家で…といろんな顔を持つ小山薫堂さんによる、素敵なお金の使い方プラン。
読んでまず思ったのが、小山さんの経験値のすごさ。経歴を見るだけでもいろんなことをしてるとは思っていたけれど、日常からしていろんなことを「しでかしてる」感がすごい。
たとえば、古くなって乗れなくなった愛車のレンジローバーを一度は手放したものの、再び乗りたくなり、「12万円で落札した人」から買い戻すべく、中古のレンジローバーをもう一台買い、交換して、修理して乗るためにトータルで300万円かけていたり。
日本食が好きなアメリカ人の親友を驚かせるために、親友の名前をつけたお店を日本に作り、彼の名前にちなんだメニューも用意して、本当に半年間営業。いよいよ来日した際にサプライズで彼をお店に案内するという。
そんなこと、できる?
友だちを喜ばせるために??
と思ってびっくりした。
薫堂さんの人生には、いかに人(ここには自分も含まれている)を喜ばせるかという思いが根底にあって、全ての行動はそこが起点になっているんだなぁと思った。
お金は、うまく使える人のところに集まってくる、と私も思うようになったのだけど、どうやったらうまく使えるか?が難しい。
でも、この本では、あの手この手で喜ばせる素晴らしいお金の使い方が書かれていた。予想だにしない額の、予想だにしない使い方。でも、みんなが幸せになるにはという視点が必ず入っている。
本の最後のエピソード、「与えられた人はもらったときにすごく喜ぶけれど、その喜びっていうのは早く消える。でも、与えた側の喜びっていうのはずっと残るんだ」というのが、一番心に刺さった。
薫堂さんがあるパブの店主に「日々の幸せは何か」と問うたとき「孫に小遣いをあげるとき」という返事があったという。「孫は、俺が小遣いをやったときは喜んでもすぐに忘れる。けれど、俺はずっと覚えているんだよ」と。
確かに「与える喜び」の方が、実は大きくて、記憶に残るのかもしれないなぁと思った。
今、私は子どもたちにいろんなものを与えてあげている気になっているけど、実は私の方が「与える喜び」をもらっているのかもしれないなぁと気がついた。
塾代とか習い事とか、子育てはお金ばかりかかって、稼いでも稼いでも奪われているような気になっていた。
そうじゃなかった。
子どものおかげで、私は「与える喜び」をもらっているのだった。なんと素晴らしくありがたいことよと思って、朝から泣いた。
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