青山ゆみこさんがゲストの「第14回ライターお悩み相談室@保存食lab」が深く濃く終了しました!

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フリーランスのエディター/ライター 青山ゆみこさん(@aoyama_kobe)をお招きしての「第14回ライターお悩み相談室」、今回もすーごい密度のお話を聞くことができ、大盛況で終わりました!

 

大盛況といってもワーワー盛り上がるのではなく、心の内が静かに煮えたぎるというか。青山さんの発する言葉一つひとつが金言で、打ち震えながら取ったメモをここにまとめておきたいと思います。

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インタビューは目的が違えば、やり方が全然違ってくる

最初の質問は、インタビューの準備はどのようにしていますか?というもの。私はこれまでガイドブックや雑誌のインタビューがメインだったので、それ用のインタビューのやり方は経験していたけれど、今回、青山さんがお話してくださったのは、書籍をまるまる1冊作り上げるような、ロングインタビューのやり方。

ロングインタビューは、本文300文字とか長くて5000文字といった原稿を書くためのインタビューとは全然違っていて、むしろ真逆のこともあって、目からうろこな学びがたくさんあったのでした。

青山さんがインタビューに持っていくものは、自分で準備した質問表。そして、この質問を考えるときに、書くための準備の8割は終わるという。準備が命なのだなぁと改めて。

そしてインタビュー前の準備で分かったことは、インタビュー時に相手に言わせない。自分の口で言うということも真似したいと思ったことの一つ。たとえば、取材するお店が創業100年以上だと事前に知っていたなら、それを相手に言わせない。時間がもったいないというのもあるし、わざわざ言わせることをしない。こんなところにまで配慮する細やかな優しさを思い知ったのでした。

そういえば、少し前に青山さんにインタビューをしてもらうという貴重な体験をさせてもらったのだけど、そのときも確かにそうだった。

私に聞きたいことをまとめたであろう質問表が机の上に置いてあり、そのほか資料らしきもので机は埋まっており、私をインタビューするためにいろいろ下準備をしてくれたことがダイレクトに伝わってくる。そして調べたことは、「過去の記事を拝読すると●●●●●と言うようなことが書かれていましたが…」と誘導してくれる。

あれはすべて私が答えやすいようにしてくれていた配慮だったのだ。

また青山さんは「質問表を用意しておくことは、相手に準備してきたというアピールにもなる」ともおっしゃっていたけど、まさにそうで、ここまで準備してきてくれたのかと私はものすごく感銘を受けた。それだけで話し手の気分は全然変わるのだということを教えてもらった。

さらに、青山さんはインタビュー中の言葉はICレコーダーを置いて録音しており、メモはほぼ取らないとのこと。話し手には、インタビューであることを忘れてもらうためだと言う。メモをしたり、レコーダーを置いたりすると、相手は頑張って良いことを話そうとしてくれる。それはそれでいいけれど、青山さんは相手がしゃべりたいようにしゃべってもらいたいと考えていて、ICレコーダーは置くけれどしゃべりたくなければ、しゃべらなくてもいいように、インタビューであることをあえて忘れてもらうようにしているという。

私がガイドブックなどでお店の取材に行くときは、短い時間の中で聞くべくことを聞かなければいけないので、これとまったく真逆のことを、する。相手には、これはインタビューであることをしっかりと分かった上で良いことを言ってもらうために、メモを取る。あえてレコーダーを目の前に置くことで緊張してもらうこともある。

同じインタビューでも、全く逆のアプローチの仕方があるのだ!という驚き。

その人から自然に出てきた言葉、それを紡いでいるから青山さんの文章は、青山さんにしか書けない文章になっているし、その人らしさがすごく伝わってくる文章になっていのるだなと思う。

またインタビュー前に聞きたいと思っていたことと、まったく違う言葉が聞けるときがあって、それは一番聞きたいと思っていたこととは違うけれど、実はその違った言葉の方が1番大切だったということがあるという。

抽象的でうまく伝わらないかも知れないけれど、これは本当にそうだなと思う。

自分が、インタビュー前に想定した答えだけで終わってしまうインタビューなんて、実は全然つまらない。インタビュー前には想像もしなかった言葉が聞けたときこそ、インタビューした甲斐があるというものだし、それこそが真実の言葉だという気がする。そして、そこにこそライターが行く意味も生まれる。その人からしか発せられない言葉、これが引き出せたら、もうそれだけで良い原稿になることが約束されていると思う。

大手の企業の案件で時々インタビュー前に質問も、それに対する答えもすべてあらかじめ用意されている場合がある。その上でインタビューをするのだけど、せっかくインタビューで引き出せた特別な言葉があるのに、結局は当初の予定通りの何の変哲もない原稿に仕上げるように言われることがあって、これは本当に残念でならない。

私に権限があるならば、最初に考えていた構成と多少違っても、インタビューで引き出せた言葉を絶対に盛り込みたいと思うのだけど、いかんせん権限がない場合は、まぁクライアントの希望にそった原稿に仕上げないといけないわけで。

もしこういう案件があったなら、青山さんも「本当に良い編集者なら、当日出た良い話がもりこめるように、軌道修正する」とおっしゃっていて、救われた気持ちになったのでした。

あと、「インタビューは話し手と聞き手の共同作業」という言葉もすごく印象的だった。そうなのだ、インタビューは1人で頑張ってするものではなくて、2人で向き合って話すからこそ、成り立つことであり、生まれるものがあるのだと私も思う。

原稿を書くことについて

原稿は、自分の言葉で書くことが大事。身体化されていることしか書けない。

たとえば、青山さんは今流行の「エモい」という言葉を使ってみたいけれど、エモいという感覚がよく分からないから、使いたいけれど使えないのだという(そういえば、私もエモいって使ったことない)。頭で理解して知識として分かっている言葉と、腹の底で理解している言葉はまた違う。腹の底で理解して腑に落ちた言葉しか使わない、そういうことなのかなぁと私は理解した。

この話を聞いて思い出したのが、2歳下の妹が交通事故で死んだとき、ふと「あぁ、これが絶望ということか」とすごく腑に落ちた感覚があったなぁということ。絶望という言葉は知っていたけど、本当の意味なんて全然分かっていなかった、でもこういうことだったのか…と腹の底で理解して、そんな言葉の本当の意味なんて知りたくなかったなと悲しく思ったことを思い出す。

あと、文章には必ず宛先があるということ。これについては参加者の水本さんがnoteに書いていたので、ぜひこちらを読んでみて欲しい。

私もそうだけど、書き手であるならば、いつかは本を出版したいと思っている人は多いと思う。けれど青山さんは、本を出すことは目的にすることではないという。言葉にしなければどうにも立ち行かないことを書いて、結果それが本になるのだということ。だから、本の企画は立てるものではなく、題材は探すものでもなくて、すでにあるものだということ。

自分が伝えたい、伝えないとどうにもならないという、そういうあふれ出すものが本になるのだなぁと思う。

そうであるならば、私の伝えたいことは何だろう。思いついた題材を挙げてみる。

◆「私の死生観」をテーマに老若男女いろんな人にインタビューしてみたい。妹を亡くしたときから一番興味があるのが人の死かもしれない。みんなが死をどう捉えているのか、聞いてみたい。
◆兄妹を亡くした人にインタビューしたい。私と同じように兄妹を亡くした人たちの話を聞いてみたい。子供を亡くした親をインタビューした本はたくさんあるけど、子供にスポットを当てた本はめったに出合えないから。
◆「クルーズに魅せられた人たち」と題して、クルーズ旅行に行きまくっている人たち、クルーズ船で働く人たちにインタビューしたい。ダイヤモンドクルーズに乗って、一番楽しかったのが乗り慣れている人たちの経験談だったから。

書いてて思ったけど「伝えたい」じゃなくて「聞いてみたい」だった。私は、いろんな人に話を聞くのが好きなのかもしれない。

というわけで、忘れたくないことをメモったら4000字を超えてしまいました。ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。

青山さんが文章構成を担当された本『「ふつうの子」なんて、どこにもいない』、とても面白かったのでオススメです。子育て真っ最中の今読んでおきたい本でした。

「ふつうの子」なんて、どこにもいない [ 木村泰子 ]
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参加者の皆さんの感想

次回は10/23(水)開催!

さて、次の開催はちょっと先ですが、10月に決定しました。ゲストは、ライターで編集者の浜田綾さん(@hamadaaya914)!

10月23日(水)14時〜16時(開場は13時40分〜)
場所:保存食lab(出町柳駅から徒歩4分)
ゲスト:浜田綾さん
参加費:2,000円+1ドリンクオーダー
定員:6名

企業で10年ビジネス文書の作成に関わった後、2017年からフリーランスで活動されている浜田さん。キャリア0から2年で雑誌の編集長にまで上り詰め活躍されている浜田さんに、いろいろお話をきかせてもらいたいなと思っています。

まだ申込ページは準備中ですが、気になる方はぜひ日程だけ空けておいてください〜!

会場となった「保存食lab」の紹介

下鴨デリから場所を変えての開催。お店が貸切なので静かだし、ゆったりしたこの空間の持つ良さも、皆さんの満足感につながったのかなと思います!本当に素敵なんだよな、この場所が。

ワンドリンクオーダーのメニューはこんなでした。

自家製梅ソーダのおいしさ!

ライターお悩み相談室が始まる前にいつもゲストの方と打ち合わせがてら、2人でランチをしているのですが、保存食lab・なほちゃんの作るランチがめちゃくちゃおいしくて!!!次回は希望者の方も一緒にランチできたらいいなぁとぼんやり考えています。

インタビュー講座、ただいま受付中です!

そして、7月頭に開催して好評だった「インタビューできるライターになろう」と題したインタビュー講座、第2回開催が決まりました!今回、青山さんに聞いたお話を踏まえて、さらにバージョンアップした内容にしたいと考えています。

このような悩みを抱えている方にオススメです

✔︎取材記事を書いてみたいが、取材のやり方が分からない
✔︎他の人がどんなインタビューをしているのか知りたい
✔︎事前に何を準備しておけばいいのか分からない
✔︎話が詰まってしまい、次の質問がうまくできない
✔︎インタビューの基本的な心構え、マナーを知っておきたい
✔︎自己流でインタビューしているが、これで合っているのか不安
✔︎どんな風に進めたらいいのか分からない
✔︎緊張してしまい、相手からうまく話を引き出せない

前半にみっちり講義をして、後半は講義を踏まえて参加者全員に実際にインタビュー体験してもらいます。最終的には「インタビューって怖いと思ってたけど、楽しそう、早く行ってみたい!」となることを目指します。

日程:9月11日(水)
時間:13:00〜15:45
場所:保存食Lab(出町柳から徒歩4分)
費用:7,560円(税込)お茶・菓子付き ※当日払いの方は7,800円
定員:6名(残り4席)

申し込みはこちら

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この記事を書いた人

江角悠子

1976年生まれ。京都在住の文筆家・編集者、ときどき大学講師。ブログでは「ふだんの京都」をお伝えするほか、子育てエッセイも。コーヒー・旅・北欧・レトロ建築をこよなく愛す。

\「ライターお悩み相談室」を開催/

フリーライター歴12年のわたくし江角が、毎回違ったゲストを招いて、ライター業に関するさまざまな疑問、お悩みの相談にのっています。次回は、2019年10月23日(水)開催です!

お知らせ

月刊マガジン「京都くらしの編集室」(有料)を書いています。京都で活動するフリーライターのここだけの話。短いエッセイや日々の気づきなどを綴っています!