5000年前から、書く人は最強。あべのハルカス美術館の「ブルックリン博物館所蔵 特別展 古代エジプト」に行ってきた!

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あべのハルカスで開催されているエジプト展に娘を連れて行ってきた。小学生の頃は考古学者になろうと思っていたくらい子どもの頃から古代遺跡が大好きで、30歳のときにはエジプトにも行った。ギザのピラミッドに入って、スフィンクスのお尻がどうなっているかも見てきた私。

なので、このエジプト展も開催前からとても楽しみにしていて、早々と3月中旬には前売り券を買っていたのに、5月も終わろうかという頃になってようやく行けた。会場に着くと整理券が配られるくらい大勢の人でごった返していて、本当こういうのは早めに行くに限る(と思っていつもギリギリ)

今回のエジプト展で一番感じたことは、エジプト人って、生きている間から、ずーっと死んだあとのことばかり考えてるんだなぁということだった。常に「来世どうしよ?」と思っている。

復活するときに身体がないと戻ってこれないから、ミイラにして残しておこうとか、あの世でも人生が上手くいくように、攻略本的なものを書き残していたり、肉体が壊れてもいいように「身代わりの人形」を用意したり、来世で困らないように食べ物や召使いの絵を描いておくなんてことをやっている。

来世ばっかりじゃんと思った。来世もいいけど、今は?今はどうなの?今世での幸せは?と疑問に思って調べてみた。すると、当時は平均寿命が短く30代くらいで亡くなる人がほとんどだとあった。そして当時は、今世は30年ほどで終わるけれど、来世は永遠に続くと考えられていたらしい。

つまり人生が「30年で終わる有限のパート1」と、「その後に続く、永遠に終わらないパート2」に分かれていると本気で信じてられていたとか。

ならば、どちらにコストと時間を投資するか?来世でしょ。みたいな(本当に?)でもそう考えると、今の時代は、死んだら終わり、生まれ変わりなんてあるの?みたいな考え方の方が主流だから、「今どうやったら幸せになれるか」をメインに考えているのかなぁと思った。

時代によって解釈が全然違うし、死後の世界があるかないか、そもそもどっちが正解かも分からない。

あと面白かったのが、当時のエジプトでは「書記」という仕事が「すべての職業のトップは書記である」と言われるほどの超エリート、みんなが死ぬほど憧れる「勝ち組職業」だったと知ったこと。

書記が何をしていたかというと、単なる文字の代筆(文字起こし)ではなく、税金の計算、ナイル川の洪水予測、ピラミッド建設の予算を管理するほか、ファラオの偉大な実績をドラマチックに書いて壁に刻む、そして、死後の裁判をパスするためのセリフ『死者の書』を書くなどしていたそうで、「それって、完全にライターじゃん!」と私は思った。

当時の仕事といえば、泥だらけになって働く職人や、過酷な農民がメインだったから、父親が息子に対して、「頼むから勉強して書記になってくれ!」と必死に説得する手紙も残っていたという。

「書記になりなさい。肉体労働から解放され、あらゆる官職に就くことができる。税金も免除されるし、兵役(戦争)に行く必要もない。書記はすべての職業のボスなのだ」といった記録も残っているらしい。

書記(ライター)すごくない?

言葉を扱い、今風に言えばコンテンツを作るスキルには、時代や国を凌駕するほどの価値があったんだなぁ。『書く仕事』『編集する仕事』は、5000年以上前から続く、世界を動かす最強のスキルなんだわ!!!と改めて思ったのでした。

私はこんなにエジプトが好きってことは、前前前前前前世はエジプト人だったんじゃ?と思っていたのだけど、ここへ来て、エジプトで書記をしていたのでは?という思いに変わった。

娘の希望で、音声ガイドをしてみた。私は通常版、娘は菊池風麿版。
猫のミイラもあった。
この展示で一番衝撃だったミイラ。顔が、顔が書いてある!急にリアルすぎる。デメトリオスという男性のミイラだそう。
ミュージアムショップで買えるミイラ。私もこのミイラ、エジプトに行ったときに買って帰ってきた。
フォトスポットもあったので記念に娘に撮ってもらった。

本当にエジプト展はおもしろい。毎年どこかしら行ってる気がする。

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この記事を書いた人

江角悠子

1976年生まれ。京都在住の文筆家・編集者、ときどき大学講師。ブログでは「ふだんの京都」をお伝えするほか、子育てエッセイも。コーヒー・旅・北欧・レトロ建築をこよなく愛す。