
昨日、安曇野で初めてカヌーで川下りをした。
カヌー自体は、湖や流れのゆるい川で何度かやった経験があったので、私は自分のことを「経験者」と思っていた。けれど、川を下るカヌーというのは、それまでやったカヌーとは全く違っていて、びっくした。
湖でカヌーをするとき、大きな流れはないので、自分でオールを動かして漕いで進む。行きたいところに自分で行けるけれど、その代わり漕ぐのが大変だ。その点、川は漕がずとも勝手に流れていくし、気持ちよく揺られてくだっていけば楽しいだろうなぁ〜と思って、今回川下りに申し込んだ。どんぶらこ、どんぶらこのイメージだ。
それが全然違っていた。
川下りをすると、勝手に流れていくというのは間違いないけれど、流れていくというより、いやがおうでも「流されていく」という方が正しい。カヌーしてるところの写真を撮りたいなぁと思ってスマホを防水ケースに入れて持っていったけれど、オールを手放せるときは一瞬たりともなかった。完全に舐めてた。
強制的に川の流れに飲み込まれていく。それにあらがうほどの技術も、体力もなく、何度も川岸にぶつかり、クモの巣を顔で受け止め、よけきれず倒木の下をかいくぐりながら下る。
完全に、思ってたんと違う。
ちょっと待って!といっても川の流れは止まらないし、「そっちは危ないから行かないでくださいね〜」とガイドさんに言われたとて、必ず行ってはいけないほうに私のカヌーは吸い込まれていく。翻弄されているといってもいい。
なんかもうこれは人生のようだなと思った。
あらがえない何かに、勝手に巻き込まれていく感じ。自分ではどうしようもない、コントロールできない何かに翻弄されていく感じ。つらい。
けれど、どうしようもない中でも、ちょっと向きを変えたり、楽しそうな方に行こうと努力してみたりすることはできると、やりながら気が付いた。ガイドさんがあらかじめ「ここからは少し流れが速くなるので、準備を」と言われると、心の準備が出来たし、流れが急なところもアドバイスにしたがってオールを動かしてみると、ギリギリよけられたりした。
あと、私はカヌーをするときは、ひたすら前だけを向いて漕がないといけないと思っていたのだけど、後ろを向いて流されてみたり、横を向いたり、回転したり、何なら寄り道したり、好きな場所で休憩したりしてもいいと教えてもらった。
ちょっと怖かったけど、カヌーを半回転させて後ろを向いてみると、後ろにいる人たちの楽しそうな顔が見えてよかった。川岸で休憩したいときは、流されないように草をむんずと掴んで、休んだ(草がちぎれて流されたりした)。川下りって、下るだけじゃない楽しさもいろいろあるんだなぁと思って、それが驚きだった。
ただただ、まっすぐ前を向いて川を下るものかと思っていたのに、そうじゃなかったんだというのが一番の発見だった。後ろ向いてもいいんだなぁ。

前だけ向いてゴールを目指して川を下るって、なんか効率の良さだけを考えて、一切の無駄を省き、まっすぐ前進だけしている私の人生のようだなぁと思った。なんてつ
昨日は、合計60分くらい川下りをしていた。最初はただ流されるだけで、ひっくり返らないようにするだけで必死。完全に翻弄されていたのだけど、後半になると徐々にオールも使えるようになって、少しは自分の行きたいルートを選べるようになっていた。自分の力ではどうしようもないと思っていたことも、頑張れば何とかなることもあるなぁ〜と思った。
どうやってもあらがえない自然のすごさと、その中にでもある、自分のやれること。
最終的には、3本の川が合流して一つになっているという大きな川までたどり着いたのだけど、途中、安曇野の湧き水が出ているという川にも寄った。その湧き水は、15年前くらいに降った雪が解けて地中深くにあったのが、時を経て湧き水となり川になっているとガイドさんが教えてくれた。
15年前の雪どけ水というその川の水の透明度はガラスのようで、川底までハッキリ見えたし、もうキンッキンに冷たかった。15年という長い時間をかけて、じわじわと地中で育まれて、透明度を持って湧き出ている水。なんだかそれって、書きたいことがすぐに湧き出てこなくても、日々の中でじわじわ育まれていって、ある日ふっと言葉になる…エッセイを書くことと似ているのかも。とか、そんなことをカヌーの上で考えながら、京都に帰ってきた。
さて、本日12時より、いよいよ「エッセイスト体験講座」の一般募集がスタートしました!
「エッセイストになるなんて、私には無理だろうなぁ」
「何から書いていいか分からないし、上手に書ける自信もない」
そう思う人もいるかもしれません。でも、カヌーと同じで、すべてを完璧にコントロールできなくても、「自分のやれること」は必ずあるんじゃないかなぁと思っている。
この講座では、2ヶ月間のコミュニティの中で、自分の経験や想いを言葉にしながら、9/2には対面講座で「エッセイストが何をしているのか?」というのを体験してもらう構成になっています。ペンネームを考えたり、エッセイ本の構成を考えたり、本の帯に載せたい言葉や「はじめに」の文章を書いたり。エッセイストは日々何をしているのか?を味わってもらう2ヶ月間です。
一人だと流されるだけの川も、仲間がいれば違う景色が見えてくるはず。「書いてみたい」という自分の感覚を、まずは信じて手を動かしてみること。
定員20名(先着順)、一般募集をスタートします。
最初の一歩、お待ちしています!
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