人生に活かす編集技術とは?今年度の大学の全講義が終了!

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昨日は、大学の講義「編集技術」の最終日でした。

1年かけて学生たちと1冊の冊子を作ることを通して「編集とはなにか?」を学んでもらう講義。ついに冊子の完成です!

冊子のタイトルは「古都あしあと見聞録 どうぶつと廻る今と昔」。

内容は、動物を切り口に、京都に根付く昔からの文化&今の京都を紹介するというもの。たとえば、【昔】なら日本画に登場する「犬」や下鴨神社の「八咫烏(やたがらす)」を取り上げたり、着物の根付けで動物をかたどったものを紹介したり、【今】なら、鳥がいるカフェ、うさぎアイテムが揃う雑貨屋さんなどを紹介。

実は、京都のいたるところで出会える動物という切り口がとても面白い。大学教授にインタビューに行って、歴史をひも解いてみたりしていて、なかなかに読みごたえのある冊子になっているのではと思います!!

これを大学生が作ってしまうのだから、本当にすごい。

表紙のデザインは、日本伝統の製本技法、糸で綴じる和綴じ……に見えるデザイン。これは学生のアイデアです。実際に和綴じができたらよかったのだけど、なんせ予算がある。それなら、和綴じをしているように見えるデザインもできるよと提案したところ、それがいい!となって、こんなに可愛いデザインとなったのでした。

学生たちの考える「編集技術とは?」

この講座の最後には、学生たちに「人生に活かす編集技術」というテーマでレポートを書いてもらいます。

「人生は企画できる。人生は私という物語で、それはいかようにも編集できる」

私が授業で伝えたいと思っている裏テーマがこちら。技術としての「編集」を伝えるだけでなく、講座を通してその先にある「生き方」のヒントを掴み取ってほしいなと思っているので、どう活かせそうですか?という問いにレポートで答えてもらうのです。

学生たちの心に届いた「編集技術とは?」をレポ記事から、いくつかご紹介します。

1. 「選ぶこと」は「決断すること」

ある学生は、情報を整理するプロセスを、人生の優先順位と重ね合わせてくれました。

「編集とは、取材などで集めた情報をそのまま並べるのではなく、その中から取捨選択を行い、読者にとって意味のある形に整える行為。その過程は、日常生活における判断や意思決定とも深く重なっている。人生においても、やりたいことなどの選択肢が多い中で、何を優先するかを考え、決断しなければならない場面は多い。編集の視点を持つことで、自分にとって必要なものを見極める力が養われると考える」

「何を残し、何を削るか」。彼女は編集作業を通じて、自分の人生を自らの意思で選んでいくということを学んでくれたんだなぁと思うと、ホントうれしい。

2. 「読者」を想うことは、「自分」を律すること

「人生は物語」であるならば、そこには必ず「相手(読者)」がいます。他者を意識することが、結果として自分自身の輪郭を鮮明にする。そんな気づきもあったよう。

「『読者の気持ち』を大切にすると学び、自分の人生においても『自分はどうしたいか、どうなりたいか』にしっかり向き合って、具体的な方向性を組み立て計画することに生かしたい。大学生になると就活などで悩むことがたくさんあると思うけれど、『人に言われたからそうしよう』などではなく、自分が選んだ人生をつくり上げていくことが大事だと、編集技術と重ねることで感じました」

3. 未完成でも「とりあえず出してみる」

「完璧」を待つのではなく、編みながら進んでいく。そんな勇気についての言葉もありました。

「決められた期間の中で、作り手と読者どちらも満足するかたちで完成させなければいけません。つまり、良い意味で、私一人で悩んでも意味がないことに気が付きました。それから、挑戦する心が育っていったと思います。(中略)『とりあえずやるしかない!』と思い、やってみると意外とすんなり終わり、考えすぎもよくないと実感しました。自分が書いた原稿を添削してもらったとき、一気に人に伝わる文章になり驚きました。とりあえず出してみて、それからまた考え直して書くことも楽しい作業であることに気が付きました」

人生という原稿も、一度きりの書いたら終わりではなく、何度も推敲していい。コレって本当に素晴らしい気付きだと思う!

AIが情報を瞬時にまとめてくれる時代だけど、どのエピソードを選び捨てるのか。それを最終的に決めるのは、自分(という名の編集者)である、ということ。

「社会の中で情報を編集し、正しい情報をまとめ上げることは今後ますます重要視される。(中略)人間にしか行うことのできない、現地に行っての取材からの情報もある。私は今後の社会において、情報をまとめていく編集技術は人生に生かすことのできる技術だと考える」

まだまだ紹介したいレポートはあるのだけど。1年をかけた冊子作りで、本当にたくさんのことを学んでくれたんだなぁと思って本当にうれしい(冊子の完成より、私のこのレポ記事を読むためにがんばっているといっても過言ではない)。

この冊子を自分たちで作り上げたという自信を胸に、就活もがんばってほしいなぁ。でも、彼女たちならきっと大丈夫な気がする。

さて、学生たちが1年かけて掴み取ったこの『編集の視点』を、数ヶ月で体感できる大人向けのクラスを構築中(京都ライター塾のエディターズクラス)です。「書くことの先にある『編む力』を身につけたい」「先行情報が気になる!」という方は、ぜひメルマガに登録して、最新情報をゲットしてください!

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この記事を書いた人

江角悠子

1976年生まれ。京都在住の文筆家・編集者、ときどき大学講師。ブログでは「ふだんの京都」をお伝えするほか、子育てエッセイも。コーヒー・旅・北欧・レトロ建築をこよなく愛す。