企画力とは、具体的に行動する力

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先日、年内最後のアドバンスコースの
講義が終わりました。

3回目の講座では、受講生の皆さんに
課題として「企画書」を書いてもらい、
それをブラッシュアップするための
提案をさせてもらいました。

企画書とは、企画を通すための手がかりで
どんな記事を書きたいかを
簡潔に分かりやすくまとめたものだと
ライター塾では伝えています。

どんな媒体に、どんなテーマで書き
どんなことを読者に伝えたいか。

編集者やクライアントにそれが伝わって、
メリットを感じてもらえたら、企画は採用されます。

企画書を通して
具体的にどんなページになるのかを
伝えることができないと
検討すらしてもらえません。

だから自分の頭の中にある
「こんな記事にしたいな」という
イメージを編集部にも分かるように
共有することが大事。

ですが、今回、企画書を見させてもらうと
具体的なイメージが見えてこない企画書もあって。

そうなると、
「この人はどんなページを作りたいのか?」
こちら側が、ヒアリングをしなければならないということになります。

その場合、忙しい編集部だとスルーしてしまうことも、多々あるのではないかなと思います。

今回、受講生の皆さんが提出してくれたのは、どれも魅力的なテーマばかりでした。

ぜひ読んでみたいと思ったのですが、
じゃあ、具体的にはどんなお店に取材して、
誰に話を聞いて、何を書くの?という部分が残念ながら見えてこなかった。

そうした企画書の場合、せっかく書いても
検討すらしてもらえないのです。

相手に想像させない。
その手間を取らせない。

そして今回、みなさんの企画書を見させてもらって
企画力とは、具体的に行動する力なのだなぁと気付きました。

たとえば、カフェ巡りが好きだから
カフェ特集を書きたいと思ったとします。

京都のカフェ特集
おいしいランチのあるお店を紹介したい!

という企画書があったとしても
編集部は実際にどこに取材に行って
どんなページになるか、
それだけではイメージできません。

そうではなくカフェ特集なら、たとえば

京都駅から徒歩10分以内
850円以下でランチが食べられる
カフェを8軒紹介します!

これくらい具体的にしなければ
内容が見えてきません。

そして駅近で本当に850円以下で
ランチのできるお店を10店舗くらい
先に候補を挙げて提案するのです。

編集部の知らない情報を提供できると言うのは
かなりの強みになります。
そもそもインタビューしたくなるくらい
魅力的なお店や人を探してくるというのも
大変なのです。

雑誌の記事を書く際はライターも
街を歩いてリサーチをします。

面白そうな企画を立てて
その上リサーチまで済んでいたなら
編集部にとっては、
鴨がネギしょってきたみたいな
お得感があります。

そう思ってもらえたら
採用しないわけがない
みたいなことになります。

頭の中にあるイメージを具体的にして、
どこに何を聞きにいくのかを明確にする。

それが企画することだし
それを書いたものが企画書です。

そして、企画力があるとは、
具体的に行動する力があるということ。

私はライター業を通してこの企画力を
鍛えてもらったんだなぁと
今回の講座をしていて気付きました。
それが人生にも活きているなぁって。

たとえば、海外旅行に行きたいと思ったとして。

海外旅行に行く!

というのでは、あまりに漠然とした企画です。

企画力と言うのは「具体的に行動する力」と言いましたが、具体的と言うのは、

5月のGWから、パリに1週間滞在して
エッフェル塔とルーブル美術館に行く!

まで考えることが、「具体的にする」ということになります。そして飛行機のチケットを取る、ホテルを予約するのが「行動する」です。

企画は、具体的にイメージすることが大事で、イメージができれば、あとはやればいいだけなので、勝手に叶っていくのです。

この漠然とした思いを、具体的にイメージする力=企画力を鍛えると、ライターの仕事も獲得できる上に、自分の人生も企画して実現していけるので、ぜひ身に付けてもらいたい技だなぁと私は思っています。

一朝一夕には身に付かない技だと思うので、
京都ライター塾でもアドバンスコースでも、
「企画をする」という課題に何度も挑戦してもらっています。

そして回を重ねるごとに、
受講生の企画もどんどん具体的になっていってるなぁと感じます。

人生が企画できるようになると
自分の好きな企画ばかり立てればいいので、
本当に楽しいのです。

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この記事を書いた人

江角悠子

1976年生まれ。京都在住の文筆家・編集者、ときどき大学講師。ブログでは「ふだんの京都」をお伝えするほか、子育てエッセイも。コーヒー・旅・北欧・レトロ建築をこよなく愛す。