コーチングで「人生の目的」について考える。

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年上の、尊敬するお友だち(と言っていいのか)近藤令子さんが、コーチングのモニターを探している知り、ソッコーでお願いしました。

令子さんは、インターネット企業はてな創業メンバーで、京都大学こころのみらい研究センターにて広報を経て、アメリカ・シリコンバレーの2名と共にVoice4u(株)を設立したというすごい方。

「誰もが自分らしく生きられる世界にしたい。年齢も性別も生まれ育った場所も関係なく、その人らしくイキイキと社会にコミットする人を増やし応援したい」。そんな思いを持って、昨年からコーチングのプロ資格取得を目指しているんだそうです。

そんな令子さんとお話できるだけでも、すんごい価値があるのに、コーチングまでしてもらえるなんて、そんなありがたいことはない!と思って。Facebookで投稿を見つけた瞬間にメッセージを送っていました。

そうした経緯で先日受けた、コーチングの1回目。

初回にしたことは、

価値観を明らかにするワーク
人生の目的の宣言文を作るワーク

私がこれまでに受けていたコーチングでは、主にビジネスに関することを相談していたので、価値観とか、人生の目的というワードが出てきて、びっくり。え、そもそもコーチングって何だっけ?と思って令子さんに聞くと、コーチングは「人生そのものを扱う」と言われて納得。別にキャリアに関することだけではないのでした。

まずは「私の価値観」について。

考えようとするけどまず、価値観ってなに?いう疑問。改めて考えようとすると、ちゃんと理解していないことに気が付く。

価値観とは「生き生きとさせる源泉のようなもの」と教えてもらう。

生き生きしてたとき(1)浪人時代

私がこれまでの人生を振り返って、生き生きしていたときを思い出してみる。

私が生き生きしてたときはいつ?と聞かれて、瞬間に思い出すのは、浪人をしていたとき。ふつう浪人時代といえば、現役で大学に行けず、失意の中で頑張って勉強する…みたいなときかもしれないのだけど、私は浪人時代が楽しかった高校生活の中でもより楽しくて、居心地がよかった。キラキラしてたなぁって思う。

なぜそのときが良かったのが、令子さんに質問されて、どんどん深堀していく。なぜなのか?出てきたワードはこんな。

ダメな自分を出しても許してもらえる
人生は楽しい
甘い
受容
そのまんま 自然体
気を使わない

浪人時代は、仲のいい女友達1人と男友達2人と4人で、いつもつるんでいたんだけど、あの関係性が私にはとても心地よかったんだなぁと気が付く。家では長女で、いつもいい子で真面目で、頑張っている自分でいたけど、そうじゃなく、おっちょこちょいで抜けてて、全然ダメで頼りない私でいることを許してくれる友だち。

受け入れてもらってる感覚があって、私は私のままでいいんだなぁって、鎧を脱いでいられた状態だったなと思う。

生き生きしてたとき(2)コンチキツアー

次に思い出したのが、大学4年のときに妹と一緒に参加したコンチキツアーのこと。コンチキツアーは、18歳から35歳までの若者を対象とした国際的なバスツアーのこと。ヨーロッパの人やアジアの人など、いろんな国籍の人がバス1台に乗り込んで、10日間で8カ国(だったかな)を巡る弾丸ツアーだったんだけど。

これがものすごい楽しかった。

どういうところが楽しかったのか?質問してもらって、どんどんキーワードを出していく。

自由に振る舞う
なんでもあり
勝手にやってる
人のことは気にしない
制約のなさ
勝手
他の人はどうでもよい
刺激
未知への好奇心

いろんな国籍の人、いろんな文化の人がいるから、相容れないこともたくさんあった。それがみんな1台のバスに乗って、同じ目的地に向かって進むのだから、まぁ色々あるんだけど、でも相容れないことはしょうがないよねって感じで、それぞれが受け入れているのが心地よかった。

お互いを尊重しているというか。そういうもんだよねって。

干渉しないし、干渉されない。みんなが自由でいられる。

あと毎日いる国が違うというのも刺激的で楽しかった。ロンドンを出発して、今日はオランダ→明日はドイツ→オーストリア→イタリア→スイス→パリと、日替わりで旅をする。怒濤の日々。

見るもの、食べるもの、全てが初体験。知らないことだらけ。目に映るもの全てが真新しく、新鮮で楽しかった。

私はそういう環境が居心地がいいと思うし、自分が生き生きとしていられると感じるんだなって分かった。

令子さんに「そういう意味で言うとライターとして、いろんな人に会って話を聞くという仕事は合ってるんですね」と言ってもらって、本当にそうだなぁと思う。これが分かったとき、本当にこころの底からストンとなにか腑に落ちた気がして、爽快だった。

そんなやりとりを重ねる中で見えてきた、私の自分の人生になくてはならないもの、3つのキーワード。

未知との出会い・体験重視・Love myself

じゃあ、人生の目的とは?

キーワードが出てきたら、次は「人生の目的について」考える。自分が今ここに存在する理由はなにか?ということ。

…難しい。難しすぎてこの時間内に答えが出るんだろうかと思ったけど、出た。

令子さんが話してくれる3つのストーリーを聞いて、どんな言葉が浮かぶかと言うワークが楽しかった。

ここでやたらと出てきたのが、BTSなんだけど。私は改めてBTSに人生を変えられているな(笑)

紡ぐ言葉に生きる勇気をもらえた

存在するだけで肯定できる

存在してくれてありがとう

全肯定

自分のことを愛していて、自分の好きなことをしている

BTS自身も幸せで、受け取る私たちも幸せ

自分を愛すること、自分でいることの大切さ

自然体で制約にとらわれず、人の視線を集めているにも関わらず

自分は大丈夫 自分の軸がある

いいところも悪いところも、自分を受け入れているところのすごさ

かっこいい俺も 見せる恥ずかしさはなく 良さを全面に出せる

自己開示する

自己開示する人は信頼できる


最終的に完成した私のキャッチフレーズはこれ。

私は、人々に言葉と態度で生きる勇気を与える、森に吹く風です。

前までは、私の紡ぐ言葉で、ちょっとでも誰かを勇気づけられたり、元気になってもらったりしたら嬉しいなと思っていたんだけど、最近は「存在」というか「在り方」でも、そんなことができたらいいなと思って、「言葉と態度」というワードになった。

で、私自身が何か?というと、何者でもなくて、ただそこに存在していたいなと思って、じゃあ、それって何なの?

口にしようとすると難しくてなかなか出てこなかったんだけど、自分でキーボードに向かって何か書こうとしたら、「森に吹く風」という言葉がふっと出てきた(私はやっぱり、しゃべるよりキーボードに向かう方が、言葉が出るんだなと再認識したんだけど)。

そんな存在になれたらいいなと思った。森にいたら不意に吹いてくる心地いい風、みたいな存在。風が吹いたら、はっと顔を上げて空を見上げたくなる。そんな人。

コーチングを終えて思ったのが、コーチングって、これまでの人生で知らない間についてた重たい脂肪を削ぎ落とす作業をしていくようだなということ。

質問してもらって、どんどん脂肪を削ぎ落としていって、埋もれていた「本来の私」が出てきたという感覚。これが私か!ってなると、すごくスッキリする。

脂肪がつきまくってて、どんな形だったのかも全く分からない状態だったのが、コーチングで削り落とされて、形(思考)が明確になって、本来の自分が見えるだけでなく、体も軽くなってスッキリした状態。

1回目のコーチングでこの爽快感なのだから、6回終えたときどうなっているか。本当に私は、わたしがどう変化していくか楽しみ。

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この記事を書いた人

江角悠子

1976年生まれ。京都在住の文筆家・編集者、ときどき大学講師。ブログでは「ふだんの京都」をお伝えするほか、子育てエッセイも。コーヒー・旅・北欧・レトロ建築をこよなく愛す。