何度でも訪れたい「詩仙堂」と「愛宕念仏寺」。

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以前、取材でお世話になったカメラマン中島さん(なかじ)の運営するサイト、「三度目の京都」を紹介しましたが、先日、そのサイトで紹介されている寺院を巡るプレツアーに参加してきました。

「三度目の京都」のサイトでは、京都市内のあらゆる神社仏閣を撮影してきたなかじが、一度、二度と京都を訪れ、「それでももっと京都を知りたい」という人に、ぜひ訪れてもらいたいと思った寺院が紹介されています。

紹介されている寺院は、決してメジャーではなく、アクセスもいいわけではないけれど、それでも行ってみたいと思わせるような魅力的な写真がたくさん載っています。立体感のある動画(というのか?)も見られるので、一度見てみてください。なにこれー!って思いました(笑)

おまけに文章までステキで、なかじにとっての「いいなぁ、ここ」が瑞々しく紹介されていて、これが本当に興味深い。カメラマンさんの視点というか、何度も通っているからこそ、気が付くんであろう寺の魅力…そんな見方もあるのかと新鮮です。

サイトを眺めているだけで、そこへ行きたくなるような気持ちがウズウズ。

プレツアーでは紹介されいている詩仙堂と愛宕念仏寺へ

まずは詩仙堂

京都に何十年と住んでいるのに来たことがありませんでした。が、お庭が本当に良かった!

門からの入口まで続く竹林のアプローチもいい。

こぢんまりとしていて、お寺に来た!というより、人のお家に招かれたような感覚。

この日は、職人さんを多数取材していて本も出版されているライターさん米原有二さんもいらして、
建物やお庭のことなど詳しく説明をしてもらったのでした。

米原さんは、お寺のことなんか聞いたら何でもすぐに答えてくれて
聡明で大学でも教鞭をとってらして…絶対年上だと思っていたら、一つ下だということが分かり衝撃。
私、しっかりせんと。と思いましたことです(そもそも比べちゃいけないのかもしれない)

すっきりと簡素なお庭。

そもそも詩仙堂は、最初からお寺だったのではなくて、
江戸初期の石川丈山が隠居のために造営した山荘跡なんだとか。

だから、イイ意味であまりお寺らしさがない。

現代的なものが何も見えず、ただ自然が広がる庭。
ずーっと昔の人も同じ景色を眺めたのかもしれない…と思うと感慨深い。

山の斜面に建っていて、でこぼこした土地に建てた住居なので、
正しくは「凹凸?」(おうとつか)というのだそう。

お庭に出たら、そのデコボコぐあいはすごくよく分かるのだけど、
起伏があって、立つ場所によって、景色が変わって見えて面白い。

のんびりと静かな環境で
「こんなところで隠居できたら、これほどの贅沢はないよね」とみんなで言い合いつつ。

1日本読んで過ごしたいような場所だった。

愛宕念仏寺へ

続いて、羅漢…お地蔵様がたくさんいる愛宕念仏寺へ。

すぐ近くに化野念仏寺があって、こちらもお地蔵さんがずらりと並んでいるので、最初はそちらと勘違いしていました。
門をくぐるとさっそくお地蔵様がお出迎え。寺の復興のため昭和56年から10年間1200人の一般の参拝者自身の手によって掘られたのだそう。

千二百羅漢。

 

どれも表情豊か、眺めていて飽きません。

1200もあると、興味深いお地蔵さんもたくさんいて、中にはテニスラケットを持ったお地蔵さんや

あたまに小鳥をのせたお地蔵さん、

真ん中のお地蔵さんは、カメラを構えています。

そして、米原さんやなかじは「ここの本堂は、屋根が美しいんだ!」と力説。屋根が美しい…とか全く意識したことがなかった!屋根の反りを「てり」、盛り上がってることを「むくり」 といい、屋根は建物の品格をあらわすとか。例えば、武家が関わっている建物は、いかつい屋根になるとか。

知識のある人と回ると、面白いなぁ。

あと私はこの日、屋根に関して「懸魚(げぎょ)」「蟇股(かえるまた)」という言葉を覚えました。

てっぺんと左右からぶら下がって見える装飾が、懸魚。白い壁に張り付いて雲の絵のように見えるのが、蟇股。カエルが股を開いているように見えることから。

などなど、知らない世界を堪能。

これからお寺へ行くときにちょっと見る目が変わりそうです。

一緒に参加されていたカメラマン・松村志奈さんのブログにも素敵な写真が載っています→● 同じ場所を訪れているのに、切り取るシーンが全然違いますね(笑)

—–

という感じで、「三度目の京都」プレツアー終了。まだまだ知らない京都がたくさんあるなぁと思い知った一日でした。今後の活動にも注目していたいです。

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この記事を書いた人

江角悠子

1976年生まれ。京都在住の文筆家・編集者、ときどき大学講師。ブログでは「ふだんの京都」をお伝えするほか、子育てエッセイも。コーヒー・旅・北欧・レトロ建築をこよなく愛す。