外大を卒業したのに英語が話せない。それが私の長年のコンプレックスだった。だから来年、息子と一緒にカナダに留学することにした。

50歳にしてようやく留学を決めたのは、人生で一度くらいは「海外に住んでみる」という体験をしてみたいというのもある。あと何より、私は英語での会話に苦手意識があるので、とにかく海外旅行に行ったときに、現地の人と楽しくおしゃべりができるようになりたいというのが、今回の留学の一番の目的である。
これまでに海外旅行は15ヶ国くらい行ったけれど、何が楽しいって現地の人と交流できることだ。それなのに、自分の言いたいことも言えなくて、せっかく話しても相手が何を言っているのか分からないこともあったりして、もっと話せたらなぁといつも思っていた。
英語の文章を「読む」のはできないほうではない。テストの点も悪くないけど、でも、どうしても話せない。こんな下手な発音で笑われないかなという心配が先立って話せない。自信がないから声が小さくなって、声が小さいから聞こえにくくて、相手にも「もう一回?」とか言われて、それなのに「私の発音では通じないんだ」とかってネガティブに捉えて、もう私はダメだ…みたいになっていたのが大学生の頃の私だ。
でも年をとるとだいぶ図太くなって、発音なんて通じればいいし、ちょっとくらい変でもいいのではないかとようやく開き直ってきた。まず日本語であっても、人と話すことすら苦手だった私が、話せない英語で会話をしようというのが無理があった。でも私はこの20年、インタビューを仕事にしてきて人と話すことが全く苦手ではなくなった。英語に挫折した30年前の私とは違う(と思う)
で、とにかく会話。おしゃべり、話すことがしたいと思って申し込んだのが、12週間、平日は毎日50分ネイティブと対話をするプログラムである。毎日話すことで強制的に慣れるのではないかという目論見。カナダに行く前に少しでも慣れておきたい。
だが、レッスンでは、ただ話せばいいのだと思っていたら、文法もあった(当然である)。初日を迎えるにあたって、自己紹介文を書くという課題があったので、さっそく取り組んでみたところ、たかだか日本語で500文字の文章を英語にするのに80分もかかった…。
話すにはそもそも語彙力がないといけないし、文法も分かっていないと書けないよね。こんなにも英文が作れない、話せない自分にいきなりショックを受けている。
英作文を書きながら、英語を読んで日本語に訳すのは簡単なのに、日本語を英語にするのってこんなに難しいんだね?と思った。なんで? と思ってAIに聞いてみると
料理で言うと、
- レストランで料理を食べる(読む)
- 自分で料理を作る(話す)
くらい難易度が違う。とのこと。なんと?それはとても分かりやすい。
たしかに、英語を理解するときは、
I live in Kyoto and work as a professional writer and editor.
という一文をみて、
I = 私は
live in = 住んでいる
writer and editor = ライターと編集者
と、英語→日本語の変換をするだけなのに、英語を話すときは、まず頭の中に
京都に住んでいて
ライターと編集者をしていて
経験は20年以上で……
という日本語の文章を作って、そこからまた主語は?現在形?過去形?どんな単語?みたいな置き換えをしないといけなくて、手間がスゴイ。
それにしても、英語を学ぶときもまず書くこと、思いを言語化することから始まるんだなぁと思った。「何を言うか」の言語化する部分に困ることはないので、そこは学生の頃よりずいぶん楽だなぁと思ったりした。
そうやってなんとか書き上げた課題の英文。だけど本番は、これを自分で話して相手に伝わるようにしないといけない訳で、辞書で調べながら書いたとて表現を覚えていないし、英語を使いこなせるようになるって、本当に長い道のりだな!!!!とまだレッスンが始まってもいないのにくじけそう。

