人生スタンプラリー

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私は、人生において、とにかくやりたいことがたくさんあって、やれば気が済むというところが大いにある。失敗しようが成功しようが、どっちでもよくて、ただただ「やれたらいい」。

そういう性格であることに40歳を過ぎた頃、気が付いた。

そんなわけで、結婚したのも、そういえば、私は「結婚する」という経験をしてみたかったからだなぁと、最近分かった。この人と一生添い遂げるぞ!という決意の元、結婚したわけではなく、結婚したらどうなるの?ということが知りたくて結婚した。なので、今とても気が済んでいる。

先日、東京に行ったとき、地震があって、小田原辺りが停電となり、新幹線が急停止してしまったことがあった。あれだけのスピードで走っている新幹線が急に止まるって、結構な衝撃で、「これが緊急停止か!初めて体験した」と思った。

一瞬、閉じこめられるんか?とパニックになりかけたものの、緊急停止を体験するなんて滅多にないことだなと思い直し、私は頭の中で「人生スタンプラリー」の「新幹線、緊急停止」のスタンプを捺していた。結局止まっていたのは、10分もないくらいだったから、結果的に「なんかちょっと珍しい体験ができたな…!よし!」みたいな気持ちになった。

こんなレアなスタンプを持っている人は、なかなかいないのではないか。

ただ、ほしいスタンプもあれば、ほしくないスタンプもある。

たとえば、私は大学時代に当時付き合っていた彼氏が私の友だちと二股をするということがあったけれど、私そのスタンプは要らない。あと肺炎も5回なって入院もしたけれど、これも要らない。

でも、豪華客船に乗り、家族で旅をするというスタンプはほしかったので、がんばって取りに行った。結局、3回ダイヤモンドプリンセスに乗って旅をしたので、トータルでスタンプを3つ持っていることになる。そして、もう要らないかなとなっている今。

数年前には「1,000万円稼ぐ」というスタンプがほしくなったので、これも取りに行った。ブックライティングをしたのも、本の編集の仕事をしたのも、スタンプがほしかったからだ。やってみたら、ブックライティングした本が10万部のベストセラーとなったので、そのスタンプもおまけでついてきた。うれしい。

スタンプの数はそのまま経験値だ。そして、ほしいスタンプは自分から取りに行かないと、集められない。

まだまだほしいスタンプがある。どこにあるのか、どうやったらそのスタンプが捺せるのかを考えるのも楽しいなと思う。

人が集めていて、面白そうなスタンプがほしくなることもある。今は「留学した」というスタンプがほしいので、どうやったら手に入るかなと考えている。持っている人が羨ましい。

珍しいスタンプ披露大会とかしてみたい。珍しいスタンプがある人は教えてほしい。

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この記事を書いた人

江角悠子

1976年生まれ。京都在住の文筆家・編集者、ときどき大学講師。ブログでは「ふだんの京都」をお伝えするほか、子育てエッセイも。コーヒー・旅・北欧・レトロ建築をこよなく愛す。