自分の価値はいくらなのか。

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私が主宰する「ワンデイZINE講座」の受講料は、3万5,000円。

高いと思うか、安いと思うかは人それぞれだと思うけれど、受講してくれた人の中には、「元が取れた」と言ってくれた人もいたので、その人にとっては妥当な額、もしくは安いくらいだったということにもなる。

自分の主宰する講座なのだから、いくらに設定するかは自由である。

会場費、資料の印刷代、飲食費、会場までの交通費、誰かに手伝ってもらうなら、サポート費などなどを差し引いた利益が私の収入になるわけだけど。

さて、もしあなたが自分で講座を開くなら、いくらに設定しますか?


この、自分で自分の価格を決める。これは、ZINEを作って販売するときにもぶち当たる壁になる。

ZINEを作ってそれを販売したいと思ったとき、1冊いくらに設定するのか。

たったの16ページしかないけど、500円でいいのか。
プロが書いた文庫本がその値段で手に入るのに?
一応100ページはあるけど、1000円は妥当なのか?
私ごときの文章で?

と、値付けには本当に迷った。いくらにしようが自由である。自由だからこそ、選択肢がいくらでもあり、迷い悩む。

そんなときにどうしたらいいかというと、仮に決めるのである。

仮に決めて、やってみる。

500円いただくのは申し訳ないと思ったら、300円でまずは売ってみる。300円にすると飛ぶように売れた。うれしい!!!ちょうど値段だったのだ!

となるかどうかは、自分がどのくらい利益がほしいかどうかで変わってくる。

たとえば、1冊作るのに経費が350円かかっていたとしたら、売れれば売れるほど赤字になる。1冊200円で作ったものを1冊300円で販売すると100円の利益になる(小学生でも分かる単純な計算だ)。

で、果たしてあなたはZINEを作ることでどのくらい稼ぎたいのか。そもそもZINEで稼ぎたいのか?ZINE作りはただの趣味であり、作ったら満足なのか。

分からない?分からないときは、仮で進める。

300円にしたら売れたけど、赤字になるから、せめて経費分の350円にしようとか。いやでも、とんとんで利益が出ないのも嫌だから、400円にしようなどなど。

仮でもいいからやってみないと、分からない。需要があるなら、経費350円で作ったものを2,000円で販売したっていいのだ。「1冊4,500円です」と言っても良い。このZINEには、4,500円の価値がある!と思った人が買っていく。

余談だけど、私がこれまで買ったZINEの中で一番高かったのが、その位の値段だった。本にど真ん中に、鍵穴があいていて、アンティークキーがついている。何を言っているか意味が分からないかもしれないが、とにかく5センチくらい厚さのある本のセンターに穴が貫通しており、鍵がぶっ刺さっているのだ。鍵アイテムが死ぬほど好きな私は、散々迷った末に購入した(ちなみに、購入から1年半経った今も読んではいない)。

私の講座の価格設定もこうして決めた。今ZINEは人気があるようなので、もう少し価格を下げれば参加してくれる人は増えるかもしれない。が、私はこれまで12冊のZINEを作り、たくさん失敗して知恵をつけてきた。講座では、今の私が持ち得る全知識をお伝えするし、お伝えしたからには、なんとかZINEを完成させてほしい。どうしても完成させたい!という熱量のある人にきてもらいたい。と思っての、この価格設定。

この講座には、35,000円の価値がある!と思った人に来てもらいたくて、この設定にした。

ここに行き着くまでに、何度も講座を開催して、来てもらえたり少なかったり、利益が少なくてしんどかったり、楽しかったりして今回はこの価格になった(次は、上がるかもしれないし、もしかしたら下がるかもしれない。それは分からない)。

あなたは今の自分にいくらの価値をつけるのか?

ZINE作りで本当にいろんなことが見えてくると思います。

ワンデイZINE講座、写真入りのレポ記事も書きました。どんな雰囲気だったのか知りたいと言う方はぜひこちらから!

新たなレポ記事も届きました!ありがとうございます。

ユミ_1967さん

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この記事を書いた人

江角悠子

1976年生まれ。京都在住の文筆家・編集者、ときどき大学講師。ブログでは「ふだんの京都」をお伝えするほか、子育てエッセイも。コーヒー・旅・北欧・レトロ建築をこよなく愛す。