「読書感想文、嫌い」が増える理由。

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9/14(日) 12:00〜17:00 入場無料
場所:インテックス大阪 2号館
ブース:【せ-03・04】

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私は、怒っている。

こんなやり方じゃあ、本の感想を書くことも、そもそも読書することも嫌いになってしまう!!!

私は昨日、小5の娘の読書感想文を書く宿題を手伝っていた。いまどきの読書感想文は、iPadで書く。いや入力する。そこには読書感想文シート的なものがあり、あらかじめ3つの構成に分かれている。

1つ目は読んだ本の全体像を述べる。2つ目は特に印象に残ったこと、3つめは2つ目に書いた内容に関して、どう感じたかを書くという構成。

娘は、あらかた下書きはできていたが、締めが上手く書けないというので、私が「どう思った?」「どこがよかった」「どうして、いいと思った?」など、質問することで言葉を引き出し、それをそのまま書いてもらった。

娘は、話せばちゃんと感想や、自分の感じたことを言える。言えるのに、「書けない」と言う。今、言ったそのままを書けばいいんだよと言うと、「そうなん?」と言って、そのまま入力していた。「書く」となると、どうも身構えてしまうらしい。書くのなんて、本当にチョー適当でいい(最初は)。あとでいくらでも直せるのだから。

そうして、一通り完成させた。終わったね!と思ったら、「文字数が足りない」といって、無理やり何かを足そうとしている。

文字数とは?

娘のiPadを確認すると、親切にもそれぞれの項目に目安となる文字数が書いてある。

いや。まずそこで「違う」と思う。文字数に達するとか足りないとか、読書感想文とは、そういうことではない。

あと本当は、勝手に3つの項目にも分けられたくない。何から書いたらいいのか分からない人のために、リードしてくれる項目だとは思うけれど、読書感想文なんて、本当はもっと自由なものであり、決してピースを埋めて書くようなものではない。

と思って、私は憤った。こんなやり方じゃあ、大の本好きである私だって、読書感想文が嫌いになる。こんなやり方で本を好きになれという方が無理である。

そう1人で憤慨していたら、娘が一言。「もう読書感想文、嫌いだから大丈夫」。すぐ横にいたオットも「オレも読書感想文、嫌い」と同調する。

本当に悲しい。「読書」とは、本当に素晴らしいことなのに、こんなやり方で「読書嫌い」を増やしていく日本の教育って何なのだ、と思った。嫌がらせか。

嫌いなのは分かった。それならもう、書かなくてもいい!!!書かなくてもいいから、自分がどう思ったか、その気持ちだけは大事にしてほしいと思った。

この感想文を提出したら、きっとまたあれこれ言われるんだろう。本を読んで、どう感じたかは自由なのに、表現がつたなくて、いろいろ言われるかもしれない。もしかすると、それで自分の気持ちを否定されたかのように感じる子もいるかもしれない。もしくは、自分の感じたこととは違うけど、あえて丸をもらえそうなこと、褒められそうなことを書く子もいるかもしれない(私はそれができた)。

全部違う。

子どもだけじゃなく、大人も。大切なのは、まず「自分はどう感じたのか」を見つめること。そこから言葉も、世界も広がっていく。 先生だからと言って、そこに口出ししてほしくない。

文字数でも、構成でもなく、「私はこう感じた」という気持ちを残せたなら、それが一番の読書感想文になると思う。そうやって感じたことを大事にできる子が増えたら、本を好きになる子も、きっともっと増えるはずなのに。

大人も同じで、まず自分が「どう感じたか」を自分の言葉で残すことが、何よりも大事。それは「話す」でも、「書く」でもいい。自分で言語化しておくこと。

私はここをもっと伝えていきたいなぁと思った!!!!

というわけで、相当怒り狂っていますが、新作ZINE『文章を書いて、生きていきたい2』には、「自分の気持ち」を書くことについても、ヒントがあるのではないかと思う。興味がある方は、ぜひ手に取ってみてください!

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この記事を書いた人

江角悠子

1976年生まれ。京都在住の文筆家・編集者、ときどき大学講師。ブログでは「ふだんの京都」をお伝えするほか、子育てエッセイも。コーヒー・旅・北欧・レトロ建築をこよなく愛す。