植本一子さん「かなわない」読了〜魂揺さぶられる1冊〜

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ホホホ座のお店を紹介したときに、
「これはいつか必ず買うと思う」と書いていた
植本一子さんの「かなわない」

先日、ホホホ座を訪れる機会があり、ついに購入、そして一気に読了。

写真家の植本さん、24歳年上の貧乏なラッパーECD(石田さん)と結婚して、
2人の娘を育てる日々。

本は、植本さんが日々のことをこと細かく綴ったものなのだけど、
そこには、育児の楽しいだけじゃない面、仕事のこと、お金のこと、
あらゆることが書かれている。
そして、ただ淡々と日常が綴ってあるのに、ぐいぐい惹きつけられる。

植本さんがその日その日にしたこと、それに対する思いなど、
同じ母親という立場で、そうそう、そんなことある、大変だよね、
分かる分かると共感できることも多数。

かと思いきや、え?こんなことまで書いていいの?っていうくらい
赤裸々な思いまで書いてあって、こちらが受け止めきれず、しんどくなるくらい。

子どもに対するどんな行動も、夫に対するどんなに醜い感情も包み隠さず
全部書いてあって、これが出版されたということがすごいなと思ったし、
読みながら、これはいっそフィクションであってほいい、とすら思ったほど。

途中、あまりの赤裸々さと辛い現実に面喰って
休憩をはさみつつ、それでも先が知りたくて読み進めるという。

読みながら、ものすごい体力奪われる感じ。
一気に世界に引きずり込まれるような。

すごかった。

で、今、この本を友達に貸してあげたのだけど、
これは自分で買って、読むぞと思った人だけが読める本で
誰かにパッと借りて読むような本じゃないなって、今さらながら思ったりして。

子育て中のお母さんはもちろん、お父さんも
これから結婚する人も読んでみたらいいと思う。

————-

本の中にあって、思わずメモした言葉。

誰に対しても、素直に心を開いていれば、きっと良い方向に向く。
育児はそんな気がする。

 

家の中で延々と泣き叫び続ける。どれだけ、泣かないで、と懇願しても無駄なのだ。

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この記事を書いた人

江角悠子

1976年生まれ。京都在住の文筆家・編集者、ときどき大学講師。ブログでは「ふだんの京都」をお伝えするほか、子育てエッセイも。コーヒー・旅・北欧・レトロ建築をこよなく愛す。