イベント「兼業ライターという生きかた」に参加して…備忘録

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先週の金曜日に「兼業ライターという生きかた~二足の草鞋で本業を活かされ活かす~」

というイベントに参加してきました。

約1ヵ月前にTwitterでこのイベントが開催されると知り、

夜のイベントだったので即刻、夫に子守りができるか確認し、申し込み完了。

私はずっとライター1本でやってるけれど、

この6月からカフェ店員の仕事も始めていたので

「兼業ライター」という言葉に激しく反応したのでした。

会場も、デザインのお仕事をいろいろされているサノワタルさんが手掛ける

カフェ「iroiro」で、前々から行きたかった場所。

(これはもう申し込むしかないでしょうという感じ)



登壇したのは、左から榊原充大さん(RAD)、岸本千佳さん(京都移住計画など)、

中村佳太さん(大山崎 COFFEE ROASTERS)の3人。

内容は、

・ライターになったきっかけ

・本業とのバランス

・兼業ライターの悩み

・兼業ライターをやる意味

などなどリストアップされた項目に、3人がトークで答えるいう感じで進んでいきました。

イベントの詳しい内容は参加者の方が「togetter」にまとめてくださったのでそちらをぜひ。

(ってか、このトゥギャッターってすごいですね!

なんなんですかこれ。イベントの内容が手に取るように分かるし、

ってか投稿した人が簡潔に話をまとめててホントすごい!)

私は、私が話を聞いて思ったこと感じたこと

そのままを備忘録的に下記へまとめます。

興味のある方はどうぞ。

——-

3人ともそれぞれ本業があり(建築、不動産関係、珈琲等)

そちらを先にやっていて、いろんなきっかけがあってライター業も始めたそう。

話を聞いた中で一番意外だったのが、本業とライターの仕事(収入)の割合は、

3人とも9:1(本業:ライター)と言っていたこと。

私の勝手なイメージで、5:5まではいかなくても、6:4くらいかなと思っていたので。

なんちゅうか、羨ましい。ライター以外の仕事で9割も稼げていることが!

【兼業ライターに憧れる】

ライターをしていたらよく聞かれるんだけど、一番答えに詰まる質問というのが

「得意分野は何ですか」

私がなんて答えるかというと

「一番好きなのは、人物インタビューですかねぇ」という感じ(笑)

自信がないので、さり気なく質問をすり替えて答えていますが。

または、とある編集部からは、雑貨特集のときによく声をかけてもらうので

気に入ってもらえてるのかなぁーと思って、雑貨関係と答えることも。

とにかく依頼されたらなんでもやるので、得意ですといって胸を張れる分野がなく、

同業の山田ねーさんとも、なんかそういう専門的なものを

一つ見つけたいよねという話にはよくなるわけで、

そうすると兼業ライターの人はすでにもう専門的な知識があって、

そういった知識があるからこその突っ込んだ質問もできるし、

知識がある人にしか書けない文章が書けるわけで、

そこが心底羨ましいと思うのです。

でもまぁ、胸を張ってこれです!という分野がないとはいっても、

好きなモノについて書いた方が面白い文章が書けるということは往々にしてあるので

ことり会ライター部では、仕事の依頼があったとき、

それぞれ振り分けるということはよくやることで

例えば、歴史、美容、映画なら、山田ねーさん担当、

子育て、雑貨、インテリア、暮らしなどは、私が担当など。

(これを突き詰めると美容ライターや映画ライター、グルメライターになる)

書き手を誰にするかというので記事の仕上がりは変わってくるので、

その辺は編集者の手腕に寄るのかもとも思う。

どんな記事にしたいのか明確に思いがある編集者さんなら、

その辺も意識して各ライターさんに仕事を依頼しているはず。

でも、ここで思ったのがトークの中で中村さんも言っていたのだけど

「ライターという定義は一体何なんだ」っていうこと。

文筆家、コラムニスト、エッセイスト、随筆家、作家…

文章を書く仕事をする人を表現する言葉はたくさんあるけれど。

参加者の中に編集の方もいてその方が言っていたのは

専業ライターの人は、自分を消して仕事ができる人。

また需要に応じて記事を書ける人。この意見にはすごく納得。

第三者的な立場で客観的にテキストが書ける人がライター。

つまりは、自分が書かなくても代替可能。

3人ともに、ライター仕事では記事の最後に 

「私が記事を書きました」というプロフィール欄が付くことが多いそう。

最近WEBでそういった記事は多いけれど、 

私に関していえば、書籍や雑誌でそういった仕事はほぼなく、 

だからこその客観性なんかは、専業ライターだから出せるのかもと思ったり。 

記事にプロフィール欄が付くという時点で、

それはもうライターというより、私にはコラムニストの方が近いイメージ。 

岸本さんが言っていて興味深かったのは、

「私にライター仕事を依頼するということは、新しい視点を求められているのかなと思う」

ということ。その話から派生して、中村さんが

「自分含め珍しい経歴の人の話はみんな聞いてみたいと思うから、依頼があるんじゃないか」

ということ。専門分野を持つ人、キャラが立つ人といったライターと、

ある程度、文章力のある、質の高いテキストが書けるライターと2種類あるのではという話。

という話を踏まえると、今回の3人については、

兼業ライターというよりコラムニスト的な印象。

—–

3人は本業の仕事で取材されることも多いから、

ライターさんを見て、どうやって取材したらいいかたくさん知ることができる、

って言っていたのが、これまた心底羨ましく、中村さんの「良いと思ったことはすぐ取り入れる」

って言っていた「良いと思ったこと」について聞くことができなかったので、

本当これ今すぐにでも教えてもらいたい。

どんな風に取材されたときが一番嬉しかったか?という質問に対しての榊原さんの答え。

「なんで自分に話を聞きたいのか、が明確な人」

ふむふむ。

「なぜ、うちの店が取材されるのか?」「今回なぜうちの店が選ばれたのか?」ということは、

お店取材に行ってたまに聞かれることでもあるので、

そこをはっきりさせて取材に行くってことは大切だなぁと改めて。

でも編集部がリストアップしたお店10軒、20軒を連日ダーってまとめて取材していると

その辺ホントおろそかになりがち。

最後はギャランティーの話。これ一番興味あり(笑)

榊原さんが「しかるべき対価に対してはドライになる」と言っていたのが面白かったし、

本当にそれはそうだなって思った。

1文字1円の原稿もあるという話をしていたけれど、

そんな計算だったら、わたし無駄に接続詞を使って文字数稼いで

本当ダメな原稿に仕上がりそう。

文字数でギャランティを計算するのは、ほぼ意味がないと私は思ってて

例えば、200文字程度の原稿でも、私の全然知らない分野

物理学とかで(そんな可能性ゼロだけど)、ものすごい下調べが必要だったり、

話を聞くだけで2時間くらいかかって、それを凝縮させて書いて200文字とかだったら

1万円でも安いと思うかもしれないし。

同じ2000文字でも、インタビューを読みやすくまとめるのと、

ブログみたいに気軽な感じで書き綴るのとでは労力は全然違うしなぁ。

今回のこのイベント、キャンセル待ちが出るくらい好評だったそうで

次回も開催するかもとのこと。それもまた楽しみ。

また次お会いできたら、

●ライター仕事を請けるときは何を基準にしているか

ということをぜひとも聞いてみたい。

(そして、ライター話に需要があるのなら、ことり会ライター部でも

イベント開いてみたいなぁと目論んでみたり)

そのほか、3人に聞きたいことたくさんあったのに、

20時に終わり、名刺交換だけしてダッシュで帰宅。

娘は案の定、眠いのに寝られず大泣きで、手が付けられず、

帰宅はまだかまだかという夫からのLINEに返信しつつ

急いで帰宅したら玄関に置いてあった息子怒りのメモ。



脱力。

ちなみに、息子がなぜ怒っていたかというと、

可愛い妹が泣いていて可哀想という優しさからです。

ってことで、ぐぅの音も出ない。

夜のお出かけは当分難しいなぁって思ったのでした。

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この記事を書いた人

江角悠子

1976年生まれ。京都在住の文筆家・編集者、ときどき大学講師。ブログでは「ふだんの京都」をお伝えするほか、子育てエッセイも。コーヒー・旅・北欧・レトロ建築をこよなく愛す。