新米せんせー奮闘記(11)44ページの冊子「いろどりキリトリ〜きょうのいろは図鑑〜」が完成!

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昨年1年かけて、初めてする大学講師の仕事をつづってきた「新米せんせー奮闘記」、最後の完成した記録を残していませんでした。

「編集技術」の授業は、今年1月に全部終了。なんとかの授業最終日に完成した冊子が届き、1年目を無事に終えたのでした。

44ページにわたる本当に素晴らしい冊子が完成して、これは売り物にしたらいいのにと思うくらい!!!

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京の町を伝統色で切り取る冊子の紹介!

冊子のタイトルは「いろどりキリトリ」。テーマが「女子大生が伝統色で切り取る京都の街」というもので、このタイトルもみんなで案を出しあって考えました。表紙も、どんなデザインにするか、最後の最後まで悩んで、色がテーマなのでカラフルな絵の具を載せようということに。

この素材も学生たちが自分で作りました。こんな素材が作れるアプリがあるのだそう。使用する写真の加工も、「こんな感じがいい」とスマホのアプリですべて加工してみせてくれたりして、今の子たちはスマホを駆使してあらゆることをしてみせるので、本当にすごい。

赤や黄色、緑、茶色など、色でスポットやお店を紹介。卵焼きがおいしそうなこのお店は、ブログでも紹介している「かねよ」(この見た目、ぜったいおいしいよね)。学生たちの写真の技術は素晴らしく、どのページも見ごたえありの美しい写真が載っています。

こちらは茶色のページ。コロッケやレンガの建物、ロシアケーキなど。

取り上げるお店、選んでくるアイテム、デザインなどに、20代学生たちの感性が見事に現れているようで、私にこの冊子は作れないなぁと思うのです。

学生たちの感想

授業の最後に、1年かけて編集技術を学んでどうだったのか、レポートを書いてもらいました。自分で「編集技術」をどう理解したのか。

いろんな風に捉えてもらったんだなぁとうれしくなるコメントがたくさんあったので、一部紹介させてもらいます。

何をするにしても重要なのはスキルよりも情熱だなぁと一年を通じて感じました。情熱があれば、たとえ他の人に能力が劣っていても、努力を続けることができ、冊子を見てくださる読者の方々にも伝わるのではないか、その熱量が良い冊子を作っていくのではないかと考えたからです。

最初は正直なところ、自分の立ち位置なんてしょせん一番下だし、意見なんて発してもいない…ていう軽い気持ちでいました。でも、冊子のコンセプトを考え、取材先決め、デザインを考えと進めていくうちに、「あぁ、一人でもかけてはならないんだ」って思い始めました。14人で一から全部作り上げた、一人でも欠けるとこの冊子は完成できなかったなって感じます。

この作業は自分でやったほうがはやいからと、人より仕事を多く引き受けてしまうことが多かった(→社会に出たときそれでは通用しないので、無理してでも周りに仕事を回すようにしなければならない、ということを学んだ)
これらのことから、「編集技術」とは「社会に出てからも活用できる仕事術」であると言えるのではないでしょうか。

最初の編集のイメージは「孤独」でした。一人でコツコツと仕事をこなすものだと思っていました。ですが、今回やってみて思ったのは、編集は人とのつながりが大切だということです。グループで1冊の本を作るということで、たくさんの人とかかわってきました。自分の思いだけではなく、人の意見にも耳を傾け、助け合っていくのが大切なことだとよく分かりました。

な、泣ける。

私の方がたくさん学ばせてもらったのに。1年目を、この学生たちを過ごすことができて、本当に良かったなと思います。

今年度に向けて

と、まぁ達成感とともに、また今日から始まる今年度に向けて、講師として思うところはいろいろあって。

この冊子が完成したとき、ほかの先生にも見てもらって、そのほとんどの方に「すごいですね〜!良いのができましたね」と褒めてもらって有頂天になっていたのですが、ある方に「今までで一番、そつがないですね」と感想をもらいました。

「そつがない」これ、私が最近意識している「ダメな方の完璧主義」を見事に突かれたようで、すごくショックを受けたのでした。

どんな冊子を作ろうが、学生たちの意志に任せているつもりでいたのに、実は「冊子を作るなら、こうあらねば!」みたいな私の無意識の圧があったのかもしれないなぁと思って、あぁとうなだれる。

私が授業を担当するなら「見栄えよく、いい冊子を作らねば」みたいな気負いがその先生には透けて見えたのだなと思う。厳しい言葉だったけど、指摘してもらえてありがたかった一言。

それにしても難しいなぁ、さじ加減が。

というわけで、今年は私の持っているかぎりの技術はすべて教えるけど、もっと「我」を捨てて、学生たちの発想に任せて自由に作っていけたらいいなぁと決意を新たに。

さて、今日が授業の1日目。昨年作った自分のパワーポイントを見ていたら、学生たちに話したいこと一言一句すべて原稿として残っていたので、授業準備がめちゃくちゃ楽だった!去年の私グッジョブ。さぁ、2年目のスタートです。

 

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この記事を書いた人

江角悠子

1976年生まれ。京都在住の文筆家・編集者、ときどき大学講師。ブログでは「ふだんの京都」をお伝えするほか、子育てエッセイも。コーヒー・旅・北欧・レトロ建築をこよなく愛す。

\「ライターお悩み相談室」を開催/

フリーライター歴12年のわたくし江角が、毎回違ったゲストを招いて、ライター業に関するさまざまな疑問、お悩みの相談にのっています。

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