おととし初めて体験して大変な衝撃を受けたダイアログ・イン・ザ・ダーク「対話のある家」。本日2月8日から、新しいプログラム『LOVE IN THE DARK』が始まるということで、一足早く体験させてもらいました!
text by:江角悠子(@ezu1030)
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大阪「対話のある家」第20回記念プログラム『LOVE IN THE DARK』
ダイアログ・イン・ザ・ダークとは、
参加者は完全に光を遮断した空間の中へ、グループを組んで入り、
暗闇のエキスパートである視覚障がい者のアテンドにより、中を探検し、さまざまなシーンを体験する。
という「暗闇のソーシャルエンターテインメント」。
サイトによると、このイベントは、1988年にドイツで哲学博士アンドレアス・ハイネッケの発案によって生まれ、これまで全世界39カ国、130都市以上で開催、2015年現在で800万人を超える人々が体験しているそう。日本では1999年11月に初めて開催されて、これまで17万人以上が体験しているとか。
ダイアログ・イン・ザ・ダークでは実際に、視覚障がい者の方が使う白杖を持って暗闇を歩いてみる、ということもします。
暗闇の中での体験は、例えばクリスマスの時期なら「真っ暗闇のクリスマス」をテーマにした体験ができたり、「春を呼ぶ音」「夏の夜のおしゃべり」などなど、そのときどきによって変わります。
で、今回のテーマが「LOVE」、愛、というわけなのです。
「愛」と口にするだけで恥ずかしい気がしますが、体験させてもらった後で思うのは、純度100%の暗闇にいたら、何だか「あり」なんじゃないかということ。
こないだ、Apple Musicで配信されているオザケンと峯田和伸さんが対談している動画を見たのですが、その中で暗闇について話しているシーンがありました。
峯田さんが、東日本大震災のあと、しばらく東京の街が暗かった日が続いたということを挙げて、不謹慎かもしれないけれど、その暗い街がとても心地よかったと感じたということ。暗い3日間が、今思うと理想だった、と。
オザケンはニューヨークで大停電が起こったときのことを話していて、真っ暗なんだけど、心踊っている、カーニバルのような気持ちでいたと。
その話を聞いて、私は初めて純度100%の暗闇に身を置いたときのことを思い出していました。暗闇で何も見えないというと、不安とか怖いと感じる人もいるかもしれないのだけど、私は何も見えない世界で、これまでにない開放感を感じていたのでした。
誰からも見られていない私。なんて自由なんだ!!!と。で、ブログにも書いていますが、ものすごく癒されたんです、暗闇に。邪魔なものが何にも見えない、余計なものが見えない世界にいると、こんなにも心が解放されるんだなぁって。
そういう体験をしていたので、オザケンと峯田さんの話を聞いて、人は本能的に暗闇を求めるものなのかもしれないと思ったりしたのでした。
3度目のダイアログ・イン・ザ・ダーク
暗闇の中で、みんなで円になって座り、話をする時間があるのですが、みんな当然、座布団の上に座ってお話をしているものと思いきや、今回一緒に参加して人の中に、「今、実はちょっと寝転んでいました(笑)」と告白した人がいて、思わず吹き出してしまいました。
そうか!誰からも見えていないんだから、座って話していなくても、寝転んでても全然いいんだなと、目から鱗!
どんな真面目な話をしてる途中でも、変顔してたり、素っ裸になってたとしても、誰も何も見えないんだと思ったら、暗闇ってなんて自由で楽しいんだ!
私は、今回で3度目の体験だったのですが、なんか行くたびに新しい発見があって、楽しい。
あとやっぱり、話すことって大事だなと、これは毎回思わされます。
暗闇の中だと、誰がどんな行動をしているのか、全くつかめない。光のある世界で、あいづちを打てばそれは相手に見えるかもしれないけれど、暗闇ではそういう動作が何一つ見えなくて、ちゃんと声に出して、思いを話すことでたくさん分かり合えることがあるんだな、思いは口に出して伝えないとダメだなぁって思います。特に今、SNS を通したコミュニケーションが増えているけれど、会う、顔を見て話す、そういうことをもっと大事にしたいなと思ったのでした。
毎回、初めましての人と体験するのですが、暗闇でたった70分一緒に過ごしただけで、妙に親近感が湧いて、相手に興味が出て、仲良くなれたような気がするのは何故だろう。
「ダイアログ・イン・ザ・ダーク合コン」を企画したら、すごい確率でカップルが成立しそうと思ったのでした。
バレンタイデーやホワイトデーにカップルで体験するのも楽しそう!
というわけで、愛をテーマにしたプログラム『LOVE IN THE DARK』は3月26日(月)まで。ぜひ一度体験してみてください。
音のない世界を体験する「ダイアログ・イン・サイレンス」というのもあって、次はこちらも体験してみたい。
私が初体験したときのブログ。