大学の講義「編集技術」が終了!!!〜完璧なんてつまらない〜

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昨日、非常勤講師をしてる大学の全講義が無事に終了しました…!!!

今年度は定員マックスの20人でスタート

昨年4月から始まった「編集技術」の講義=前期後期合わせて全30回。一度も休むことなく終わることができて良かったなという安堵感と、1年かけて学生たちと作った冊子が完成した喜びと。

学生たちと1年かけて作った冊子。
最後の最後までこだわったデザイン。

最後の講義では、学生に「人生に活かす編集技術」というテーマでレポート記事を書いてもらいます。実践を通して学んだ編集技術を、今後の暮らしにどう活かしていくか。

このレポ記事が楽しみでやっているようなものなのですが、ある学生の言葉がとても印象的だったので紹介します。

冊子を作る工程に、校正があります。文字間違いがないか、写真のトリミングは良いか、最後の最後まで確認して入稿となるのですが、この校正作業、何度やっても直したいところが出てくるのです。

学生は18人いるのですが、18人みんなで目を血眼にしてミスがないように気をつけているのに、いざ直した原稿を見直すと、また見つかる。何度直しても「まだあるんかい」となる。

これは毎年恒例の学生が最も苦労する場面ですが、この体験を通して「人間って完璧ではないんだな」と実感したという学生がいました。

おお、なんと素晴らしい気付き。

「人は完璧ではない」と分かる。「完璧ではない」と諦めることって、すごくポジティブなことだと私は考えている。完璧じゃないからこそ、ミスがないように頑張るというか。完璧ではないことを許せるというか。

完璧主義でずっとしんどかった私は、完璧じゃないのが当たり前と分かってから、すごく楽になれた。だから、この気付きは学生にとって、きっとこれからも多いに助けになるような気がしている。

先日イチローが、日本人初の米野球殿堂入りをしたというニュースがあった。“満票”での殿堂入りが期待されたそうだけど、満票まで1票足りなかった。このことを記者に問われたイチローの答えが、今朝の天声人語で紹介されていた。

イチローは、「1票足りなくて、むしろ良かった」と言う。「人は、いろんなことが足りない。だからこそ、自分なりの完璧を追い求めて進んでいく。それが、人生だと思うんです。生きていく上で、不完全だから進もうとできる」と。

ああぁぁぁ…!!!

私はこの部分を読んで、息が止まるかと思うくらい感動したのだけど、どうでしょうか。

こういう人だからこそ、殿堂入りするのだよな。

完璧じゃないからいいのだ。完璧じゃないからこそ、自分なりの完璧を目指して前に進めるのだ。

昨日の学生の感想といい、イチローのコメントといい、すごくリンクして胸に響いてきたのでした。

これからも、不完全なまま行こう。

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この記事を書いた人

江角悠子

1976年生まれ。京都在住の文筆家・編集者、ときどき大学講師。ブログでは「ふだんの京都」をお伝えするほか、子育てエッセイも。コーヒー・旅・北欧・レトロ建築をこよなく愛す。