もう一人の姉

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大丸心斎橋の本館3階にて弟・EZUMiのポップアップショップ開催中(2/28まで)

日曜日に、東京に住む弟が大阪にやって来るというので、京都から会いに行ってきた。

大阪に来ることはつい数日前に知って、そのことを知ったのも、インスタのストーリーで告知されていたのを、たまたま見かけたからだった。

あちらから連絡があったわけでもないので、自分から会いに行くのも迷惑かなと思ったし、そもそも日曜日は朝から晩まで3つの予定が入っていたし、行くつもりはなかった。

けれど、昼間の予定がなくなり、弟が大阪にいるという時間だけがぽっかりと空いた。

ぽっかり空いたといっても、朝も晩も予定が入っているので、往復3時間かけて行っても、滞在時間はわずか1時間半しかない。

でも、死ぬまでに弟とあと何度会えるかなと思ったら、貴重な機会な気がして急遽、会いに行くことにした。

弟とは5つ年が離れている。

弟が産まれたとき、私はすでに物心がついていたので、家に赤ちゃんがやってきたときのことは一応覚えている。

弟の名前は、「つよし」とか「まこと」とか、3文字の名前がいいなぁと思っていたので、両親が「泰俊(やすとし)」と4文字の名付けたときは、ダサくて可哀相だなぁと思ったことまで覚えている。

私は長女だったから、忙しいお母さんに代わって、赤ちゃんだった弟のお世話をよくしていた。

おむつを換えたり、おんぶしてあやしたり…そんなんだったから、弟は私が育てたような感覚がある。

でも私は弟がまだ中2のときに、大学進学で家を出ていたので、それ以降大人になっていった弟をよく知らない。なので、20代になった弟に久々に会ったとき、人と敬語で話しているのを聞いて、「あの弟が、敬語を話せるようになっている…!」と驚いた記憶がある。

なんかもう5つ下の弟というより、「うちの子」という感覚なのだ。だから、気を抜いていると、弟のことを自分の息子の名前で呼んだり、息子のことを弟の名前で呼んだりしてしまう。

そんな弟には、私以外にもう一人3つ年上の姉がいて、その姉は、彼が高校3年生のときに交通事故で亡くなった。

もう一人の姉と弟は年も近く仲が良くて、私と弟はぶつかることもよくあったけど、下の2人はそんなにケンカもしてなかったように思う。そして、2人は私よりもずっと長い時間を一緒に過ごしていた。

昨日、大阪で弟と会った記念に、きょうだい写真でも撮るかと思って、2人で並んで写真を撮った。

あとから写真を見返していたら、2人しかいないことに違和感を覚えて、そういえば本当は、私たち3人きょうだいだったんだよなぁと思い出した。

そしたら、かわいい弟の活躍をもう一人の姉もあの世で喜んでいるだろうなとか、うっかり思ってしまって、久しぶりに涙が止まらなくなってしまったのだった。

そんなわけで(?)EZUMiのポップアップショップ、大丸心斎橋で2月28日までだそうです。うちの子の手掛けるブランドを、どうぞよろしくお願いいたします。

卒業式や入学式にも活躍してくれそうな黒いワンピースを試着。

着るとシルエットがすごく綺麗でとても良かった。生地の光沢感も美しかった。

オンラインショップはこちら↓

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この記事を書いた人

江角悠子

1976年生まれ。京都在住の文筆家・編集者、ときどき大学講師。ブログでは「ふだんの京都」をお伝えするほか、子育てエッセイも。コーヒー・旅・北欧・レトロ建築をこよなく愛す。