青山ゆみこさんの「個人向け文章添削講座」を受講して、原稿がどう変わったのか? その(1)添削前の原稿を公開

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尊敬するライター・編集者の青山ゆみこさんが、この春から始めた「個人向けの文章添削講座」。ようやくまとまった時間が取れそうだと思った7月、思いきって申し込んでみました!
(講座詳細は青山さんのnoteから↓)

添削とは何か

なぜ受講を決めたかというと、ふだん仕事で文章を書いてはいるものの、自分の書きたいテーマで、腰を据えてじっくり書くことは全然できていないと思ったから。今回、添削講座を申し込んで、改めて自分の書きたいことに向き合うことができて、本当にいい時間をもらったなと思っています!

お金を払って強制的にでも書く時間を取らないと、プロであっても、なかなか書くことはできない。書くことって実はとてもハードルが高いのだなと思います。

また文章を書く仕事をしている私ですが、プロだからといって添削は不要だとか、添削のいらない文を書いてこそプロだとは思いません。むしろ、プロだからこそ添削が必要なのかも。お金を払ってまで文章を読んでくれる人のためにも。

書く人すべてに添削は必要で、添削されること(他人の目が入ること)で、独りよがりな部分が浮き彫りになり、そこをブラッシュアップすることで、より伝わる文章になると思うのです。

今回、青山さんの添削が返ってきて、それに目を通していたら、なぜか胸を打たれて、ぽろぽろと勝手に涙が出てきました。

ふだん私も添削することはありますが、青山さんの添削は、私の知っている添削とは全然違っていたのです。青山さんの募集文でも書いてありましたが、文法的なことを指摘したり、こういうふうに書けばいい、という正解を提示したりするのでは、ない。

それよりも、私の文章とがっちり向き合ってくれているという感覚。

どうして私がその言葉を選んだのか?
どんな意図で、この文章になったのか。

書いている本人でさえ気が付かないようなことも文章から深読みして、こうではないですか?どうしてですか?みたいな問いを投げかけてくるのです。

突っ込まれて初めて、私はそこまで意図して書けていただろうかと自問自答しました。

そして私の書いたものを、ここまで丁寧に読んでくれる人がいるということにも深く感動しました。

ブログやnoteなど、自分が書きたいから書いている。別に読まれなくても良いと虚勢を張っていたけど、本心は、やはり読んだものを誰かに読んでもらいたいし、誰かに反応してもらいたいし、受け取ってもらいたかったんだなぁって思い知りました(笑)

ここまで丁寧に添削してもらう機会はめったとないので、とてもいい勉強になりました!

そして添削された私の文章がどんな風に変化したのか?その前と後を掲載してみたいと思います。

あなたならどこをどう添削するか?を考えながら、読むのも面白いかと思います(笑)

添削前の原稿

講座内容は、青山さんの出してくれたテーマに沿って文章を書くというもの。

私が書いたのは「船旅」について。昨年ダイヤモンドクルーズに乗ってから、私は人生が変わったと思っていて、なぜそう思ったのか、うまく言語化できずモヤモヤしていて。でも、いつかちゃんと書きたいと思っていたことでした。

添削するためには、「誰」が書いたのかという情報も必要なため、プロフィール文も合わせて提出。

【プロフィール】
1976年、広島生まれ。広島修道大学に入学するも寺社仏閣、歴史好きだったことから京都に憧れ、京都外国語大学に編入・卒業。事務職員や出版社、広告代理店での勤務を経て、2006年からフリーライターとして活動開始。一男一女の母。今まで訪れた国は17カ国。夢は船で世界一周。レトロ建築、洋館好きが高じて、京都の洋館を紹介するZINEを自主制作。朝の瞑想が日課。

「自由」と「私」を手に入れる船旅

昨年、家族で7泊8日のクルーズへ行ってきた。生まれて初めての船旅で、私は贅沢とか癒しとか、そんな何かを超越した、それ以上のものを手に入れた気がしている。乗る前の自分とは確実に違う、新しい人生、もしくは新しい人格を手に入れたかのような……。

港を出発した船が次の港に着くまで、船内では自由に過ごせる。食事は3食ともレストランに行けばいい(もしくはルームサービスが頼める)ので作らなくてもいいし、部屋が散らかっても、部屋を離れた隙にスタッフが掃除をしておいてくれる。そのほか、船の中にはプールや大型スクリーン、ちょっとした図書室やショッピングフロアまであり、日替わりでダンスや語学などの講座も開催されている。シアターでは連日ショーが催されるし、なんと子どもを預かってくれるキッズルームまである。

つまり船上では、家事に煩わされることもなく、子守で1日が終わることもない。自分が「本当にやりたい」と思ったことだけができる環境が用意されているのだ。船旅で私が一番感動したのは、そんな自由な環境に自分がいることだった。誰からも制約されない、誰かのために何かをするのでもない。ただ、自分がしたいことをする。朝目覚めるたびに、この自由に、この喜びに浸った。

一方で骨身に染みて感じたのが、この自由を満喫することの難しさだった。それは食事の場面で顕著だった。クルーズでは、あらゆる料理が無料だった(とはいっても、旅費に含まれているのだけど)。コーヒーもジュースも飲み放題。スープやサンドイッチといったルームサービスも無料。プールサイドではカウンターで注文さえすれば、ハンバーガーもポテトもピザも無料で提供してもらえた。つまり、ざっくりと欲しいものは何でも手に入る状態にあったわけで、私はかりそめに「有り余るお金を持ってる感覚」を味わった。

でも…。

これが思ったほど、幸福とは思えなかった。その理由はこうだ。食べられる量(必要な量)には限界があって、いくら無制限に食べてもいいと言われたところで、必要以上のものは、もう単なる不要品でしかない。「何をどれだけ食べても無料だから」と貪り食べると、お腹が痛くなった。食べたいかどうかも考えずついつい欲張った結果、あとから本当に食べたい料理が出てきたときに食べられないこともあった。

旅のはじめの浮かれた数日を経て私は気が付いた。

何でも手に入る自由を満喫するためには、まず「自分がどうしたいか」を自分で理解していなければいけない。どんなに自由でも、自分が何を食べたいか、どれだけ食べたいかを分かっていなければ、「自由」に振り回されているだけで、全っ然楽しくない。

このことに気が付いてから、私はどうしたいのか、常に私に問うようにした。本当にそれ食べたい?本当にそれが飲みたい?自分に問うことをして初めて、私は今まで全然「自分」に問うことをしてこなかったのだと気が付いた。船旅の後半、本当に食べたいものを食べたいだけ食べられるようになると、私はとても満たされた気持ちになった。そして、それはちょっとでよかった。どんなに恵まれた状態にあっても、最終的に「自分がどうしたいか」が分かっていないと、幸せにはほど遠いのだ。

船旅は私の人生を変える「気付き」と、つかの間の、そして今までに味わったことのない「自由」を与えてくれた。この2つのギフトのためだけに、私はまた船旅にでるのだと思う。


なんとか書き終えた、とこのときは思っていたのですが、実は私の中には消化しきれていないことがあり、そこを、みごとに青山さんに指摘されたのでした。

その(2)更新しました!

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この記事を書いた人

江角悠子

1976年生まれ。京都在住の文筆家・編集者、ときどき大学講師。ブログでは「ふだんの京都」をお伝えするほか、子育てエッセイも。コーヒー・旅・北欧・レトロ建築をこよなく愛す。