泥臭くがんばることはカッコいい【プラダを着た悪魔2】鑑賞。

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ネットで賛否両論、いろいろ言われている映画「プラダを来た悪魔2」を観てきた。私は賛否どっちだろうなと思いながら観たのだけど、完全に「好き」派だった。ものすごく面白い。なんなら生きる勇気すらもらった。見終わったあとは気分爽快で、映画はこうでないと!と思った。余韻に浸っていたくて、長いエンドロールもきっちり最後まで観た。こんなにも大勢の人が関わってできた1本なんだなぁ。

これから観に行く人もいると思うので、なるべくネタバレにならないように感想を書いてみたいけれど、でもやっぱりバレそうなので観に行く予定の人は読まないでください…!


映画の舞台は、トップファッション誌「ランウェイ」編集部で、そこにいるのが“悪魔のような”カリスマ編集長・ミランダ。とても厳しく完璧主義で、前作ではこのミランダのアシスタントに、アン・ハサウェイが演じるアンディが採用されたことからお話が始まる。

オシャレにまるで無頓着なアンディが、世界中の女性たちが死ぬほど憧れる仕事、「ランウェイ」の編集部で、“悪魔”のようなミランダの理不尽な要求に奮闘する、というのが前回。

今回は、あれから約20年後のニューヨークが舞台。ジャーナリストとして成長したアンディが、紙媒体の危機とSNSの炎上に直面し、かつてのボス・ミランダと再タッグを組むのだが…さて。

編集部が舞台となっているので、ライターの端くれとしては、世界のトップ編集部の中がどうなっているのかは、とても興味深い。

アンディは名誉ある賞を受賞するほどのジャーナリストに成長し、とある事情から、ランウェイの危機を救うべく古巣に戻ってきた。けれど時代は変わり、雑誌は全然読まれなくなった。今やWebコンテンツが主流となり、まぁ、出版業界は存続の危機という状態。

記事を書くにも、まずはアクセス数がいいことが良しとされ、読みやすく手軽な記事ばかりがウケる。そんな中で、アンディは自分がよしとするもの、一般受けはしないかもしれないけれど、とても大事で伝えたいことを丁寧に発信していく。が、お堅い記事のアクセス数は悪く、読まれない。

けれど、雑誌の存続を揺るがすほどの超大物が、アンディの書いた記事を読み、感銘を受けていたことで、雑誌ランウェイは危機を脱出する。

ここは本当に、私が心底すかっとしたシーンである。「誰も読んでいないけど、誰かが必ず読んでくれている」と思いながら、私はふだん発信してるけれど、やっぱりそうだよね!!と私まで報われた気になった。

映画の見どころは、くるくる変わるミランダやアンディのファッションで、あとは、街全体がアートのように美しいミラノに飛んだり、巨大な別荘がある島に船で行ったり、映画館で観るにふさわしい、美しくキラキラな世界が描かれる。

でも、実際そこにいる人たちは、会社の存続のために泥臭く四苦八苦していて、そのギャップが私はとても良いなと思った。見た目に美しいだけじゃないというか、美しさを維持するために、裏で死ぬほど努力しているところが。

だから美しいんだよというか。

がむしゃらに頑張るとか、努力するって、なんかイマドキはバカにされそうなことのように思えるけれど、自分の好きなことや守りたいことのために、かっこ悪いとか恥ずかしいとか、プライドとか全部投げ出して、必死になるところが泣けた。

あと、アンディがお金持ちの夫と離婚した友だちに言った一言がぶっ刺さった。その友だちとは、かつて先輩として、ミランダの元で共にアシスタントをしていたエミリー。エミリーは、アンディと違ってファッションが大好きで、いつもファッショナブルな恰好をしていて、ランウェイを辞めたあとは、Diorに勤め、そして結婚。

エミリーはたぶんちょっと自分に自信がなくて、自信のなさをブランド品を身に付けることやお金持ちの夫と結婚することで補っていたところがあったんだと思う。でも、Diorを辞め、離婚し一人になったエミリーにアンディが言う。

お金持ちも、ブランド品も、必要ない。
あなた自身が、アイコンだから。

あなたがあなたでいることが大事というか、そのままで大丈夫という全肯定のメッセージに全私が泣いた。

映画について、まだまだ書き足りないけれど、ひとまず忘れないうちに、ここまで書いておく。

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この記事を書いた人

江角悠子

1976年生まれ。京都在住の文筆家・編集者、ときどき大学講師。ブログでは「ふだんの京都」をお伝えするほか、子育てエッセイも。コーヒー・旅・北欧・レトロ建築をこよなく愛す。