雑魚の言うことに耳を傾けないこと(って、ダンスの先生が言ってた)。

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昨年10月から通い始めたHOUSEのクラス。そのダンススクールの発表会が、先日あった。

発表会当日の朝、舞台で自分の踊る位置を確認する「場当たり」というのをした。会場はふだん練習する小さなスタジオと全く違っていて、私はキラキラした照明が当たる舞台、しかも鏡がないから自分がどう踊っているかも分からない、目の前に広がる客席という場に度肝を抜かれて、まっっっっっったく踊れなかった。

こんな華やかすぎる舞台で踊るとか死にそう。

緊張して、分かりやすく頭が真っ白になって、何回も振付けを間違えてしまって、私は落ち込んだ。この日のために3ヶ月も練習してきたのにこれか…と思って、本当に憂鬱な気持ちになった。その後、控室で鏡を見ながら練習しても、緊張がほどけず間違い続けてしまう。

午後からは、実際に音楽を流し、照明を当てる場所を確認しながらのリハーサルで、先生からのアドバイスは一言。「失敗してもいいから、思いっきり踊ること」

朝の「場当たり」でミスを連発してしまったので、私は思いっきり踊ることが怖くなっていた。だけど、リハーサルでほかのチームが踊るのを見ていた際、自信なさそうに踊る人って妙に目立つ上に、見ていてこちらも心配になる。せっかくのダンスが全然楽しめない。本当によく言われることだけど、失敗しても下手でも、楽しそうに踊っている人を見る方が断然いい。

そう思ったので、もうしょうがないと思って、全力で踊ることにした。全力で失敗することを私に許可した。そうすると、朝よりはだいぶマシに踊れて、何より私の気分が良かった。

「舞台に立つ」とは、本当に華やかでキラキラしている。スポットライトを浴びて、大勢の人に注目されて何かをするなんて、成功したら本当にカッコいいと思うけれど、それは成功した場合。

舞台に立って成功することもあるけれど、もちろん失敗する可能性だって大いにある。舞台に立つとは、その両方を引き受けないといけないんだなぁと改めて思った。たくさんの拍手と称賛って、その恐怖を乗り越えて初めて得られるというか。失敗したときの恐怖を引き受けられない人は、そもそも舞台に立てない。

だから、こないだの発表会で思ったのは、舞台に立つだけで100点満点だし、その時点でみんな優勝だなぁということだった。

発表会後にダンスの先生が打ち上げの際にこんなことを言っていた。

本当にちゃんと踊れる人は、舞台で踊っている人を見て「下手」とか、「まだまだだね〜」なんてことを決して言わない、と。もし舞台で踊っている人に対して、下手とか、よくそんなので踊れるなとか言う人がいるとしたら、その人たちは全員雑魚。舞台に立ち、人前で踊るということ(その恐怖と勇気)がどれほどのことか、全く分かっていない。そんな雑魚の言うことなんかに耳を傾けて傷つくことはない。もちろん、そんなことぐらいで踊るのをやめてほしくないとも言っていて、気分爽快だった。たしかにそうだなぁと思った。

先生はミスした私に何も言わなかったし、私たちの緊張が解けるまで何度も練習に付き合ってくれた。ふだんから「思いっきり失敗しろ」「最初からできる人なんていない」とも言っている(ただし、できることをやっていないと怒られる)

私もリハーサルで他の人たちが踊るのを見て、本当に本当に、全員リスペクトだった。その勇気を讃えたい。

そういう場をたくさん経験することで、磨かれていくんだろうなぁ。時々はそういう場に上がることは大事だなぁと思った(しんどくて、大変だけど!!!)

そして書くことに関しては、たとえばnoteの記事を公開すること、インスタグラムに投稿することが、「舞台に上がる」ことになるような気がする。誰かの目に触れる、その反応が返ってくることに挑戦すること。人から何かいわれることを恐れて下書きばかり溜まっている人は、もしかしたら称賛される可能性も自ら閉じているのかも知れない。

それでもし、人が書いたものに対してアレコレ言ってくる人がいるならば、ダンスの先生に言わせれば、その人たちはたぶん雑魚なのであろう。ここでも「雑魚の言うことに耳を傾けない」を貫きたい。

で、文章を書いている人にとっての「ダンス発表会」にあたるのが「文学フリマ」とも思っている。自分の作ったZINEは買ってもらえるのか、読んでもらえるのか。分からないけど、たぶんこれも出店した人みんな優勝だ。ZINEを作っただけでそもそもすごいし。

ダンス発表会が終わり私はなんかもう息も絶え絶えなのですが、何とか持ち直し、元気いっぱい9/13の文学フリマ大阪を迎えたいと思います!ぜひ遊びに来てください!

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この記事を書いた人

江角悠子

1976年生まれ。京都在住の文筆家・編集者、ときどき大学講師。ブログでは「ふだんの京都」をお伝えするほか、子育てエッセイも。コーヒー・旅・北欧・レトロ建築をこよなく愛す。